感情と歩き方には密接な関係があるため、動作心理学の観点から歩行は感情を推測することが可能です。

そこで、今回こちらの記事では歩き方による感情と身体表現の関係について詳しくご説明します。

また、心理学的アプローチによる歩行能力向上の方法についてもご紹介します。

ぜひ、感情の波による歩き方の変化を理解し、正しい歩き方を習得しながら心身ともに健康的な体作りを目指しましょう。

感情と歩き方の深い関係

歩き方は、感情の変化による非言語的ストレスサインの一つとして現れやすくなる傾向です。

特に、歩行リズムや歩行速度は心理状態と深く関連しているため、心理的影響がリズムや速度の変化に現れやすくなります。

なお、これらの裏付けとして今まででも無意識に感情が行動変容として現れることを数学的に発表している研究が参考になります。

その研究では、歩き方から個々の感情による特性の変化を、世界で初めて数学的に認識することを可能にしました。

また、この研究では全身の動作が必要ではなく、胴体など細かい一部分の動きを見るだけでも感情が認識できることを証明しました。

そのため、歩き方の細かい動きを定量的に予測して観察することで、歩き方による感情の変化ができることを可能にしています。

(引用;歩き方でも人の感情を認識可能と証明)

リハビリテーションで歩行による心理的アプローチの応用

心理学的アプローチは、すでにリハビリテーションの分野で歩行リハビリ計画作成に役立っています。

そもそも人間が行う歩行自体には、不安や抑うつ感を改善してポジティブな気分をもたらす心理的効果があります。

そのため、リハビリ場面でそのときの気分が歩行に与える影響を理解することで、精神面も含めた総合的なリハビリ計画を立てることが可能です。

また、心理アセスメントの一つとして歩行リハビリにおいて、歩行分析を活用することも効果的です。

歩行分析で姿勢や動作など歩行観察して改善することで、患者の心理的な安定やモチベーション維持・向上につなげることができます。

(引用;うつ病の予防に週1時間の運動　ウォーキングは気分を明るくする)

心理的アプローチを活用する歩行能力向上法

次に、心理的アプローチによる効果的な歩行能力向上方法をご紹介します。

・目標設定

・認知行動療法(CBT)

・リラクゼーション技法

それぞれの方法や効果を確認していきましょう。

目標設定

歩行行動で達成可能な目標を設定することは、気持ちの変化による行動変容を促すことができます。

すでに歩行での目標設定が効果的なことは、心理学的な理論に基づいています。

人間は具体的な目標があると、それに向かって努力しやすくなることが実証されているほどです。

また、目標達成によるモチベーションを維持して進捗を実感することで、感情の波をコントロールすることが期待できます。

なお、目標を設定する際には、短期目標と長期目標を立てることがポイントです。

短期目標はすぐに達成できる具体的な目標が良く、長期目標は歩行意欲が高められるように大きな目標を立てると良いです。

(引用;効果的なリハビリプログラムの設計と実践　目的、要素、モチベーション維持の方法)

認知行動療法(CBT)

認知行動療法とは、歩行に対するネガティブな思考や恐怖心を、より建設的で現実的なものに変えていく方法です。

転倒の不安や今後歩けなくなるかも知れないといった先行きの恐怖心に対して、証拠に基づきこれらの思考に反論していきます。

例えば、少しずつ歩行練習を繰り返すことで改善するといったポジティブな思考に置き換える方法があります。

また、目標物を定めてそこへ進む目的を作ったり、人と関わりながら歩くことで認知機能の向上につなげたりといった方法も効果的です。

なお、この方法を続ける際には、正しい歩行が身についていることを見える化してデータで実感できると、さらに効果を高めることができます。

(引用;そもそも認知行動療法（CBT）ってなに？)

リラクゼーション技法

不安や緊張を和らげることで、歩行時の身体のこわばりを軽減する方法としてリラクゼーション技法があります。

この方法を使うには、人間がもともと備わっている本能を利用します。

私たちの体は自然と力が入っており、何かが起きた時すぐに動けるように備えて筋肉は緊張しているのです。

そのため、そのままの状態で筋肉を緩めてリラックスしようとしても難しくなってしまいます。

反対に、意図的に筋肉を緊張させると逆に力が抜きやすくなるため、筋肉の緊張と弛緩を繰り返すことで全身のリラックスを促すことができます。

(引用;リラクゼーション法（漸進的筋弛緩法）とは？)

まとめ

今回は「感情の波が歩き方に出る？ストレス状態を“動作”から読み解く心理学的アプローチ」についてご説明しました。

私たちの歩き方には、無意識のうちに感情を反映して精神状態の可視化が現れやすくなります。

そのため、歩行での精神状態の可視化に対して適切な方法を用いることは、早期ケアや歩行改善につながるため、重要です。

そこで最後に、気持ちの変化が歩き方に影響する際の歩行評価や歩行改善に活用できる「AYUMI EYE」をご紹介します。

AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することができるデバイスです。

簡単かつ正確に歩行状態が分析できるため、感情の波で変化する歩行に対して、正しい歩行習得と心のバランスを整えることができます。

ぜひ、歩行分析を活用しながら、効果的に心と体のバランスを整えていきましょう。

(参考資料)

(引用;歩き方でも人の感情を認識可能と証明)

(引用;うつ病の予防に週1時間の運動　ウォーキングは気分を明るくする)

(引用;効果的なリハビリプログラムの設計と実践　目的、要素、モチベーション維持の方法)

(引用;そもそも認知行動療法（CBT）ってなに？)

(引用;リラクゼーション法（漸進的筋弛緩法）とは？)