
医療費や労災補償費が毎年じわじわと増え、企業や自治体の財布を圧迫しています。
運動不足が招く生活習慣病や、身体機能の低下による転倒・腰痛がその大きな要因です。
最新の調査や実証事例が示すのは、“あと1,500歩だけ多く歩く”という小さな変化が、医療費を大きく抑え、事故を減らし、仕事の快適さまで底上げしてくれるという明るい可能性でした。
本記事では、医療費高騰の背景から歩数アップの経済効果、働きやすさへの波及、職場に「歩く文化」を根づかせる方法までを、具体的な数字とともにお伝えします。
医療費と労災コストが増え続けるわけ
1985年度に約20兆円だった国民医療費は、2015年度には42兆円を超えました。
高血圧や糖尿病など運動不足が招く病気が増えているからです。
転倒や腰痛などの労災も増え、企業は補償や代替要員の手配で悩まされています。
しかも日本人の平均歩数は1998年をピークに約1,500歩も減少。
“歩かない生活”が体にも家計にも静かに負担をかけているのです。
引用:歩いて暮らせるまちづくりで医療費抑制効果も期待~「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量(歩数)調査のガイドライン」を策定しました
たった1,500歩で医療費がここまで下がる
国土交通省の試算では「1日1歩ふえると医療費が約0.07円減る」とされています。
- 1日+1,500歩 ➜ 年間約3万5,000円の医療費ダウン
- 従業員500人が同じだけ歩く ➜ 年間約1億7,500万円の節約
日本ウオーキング協会の調査でも、従業員1万人が1日1万歩を続けると約5,100万円の削減になると報告されています。
自治体の取り組みでは、三重県いなべ市が588人で年間約4,600万円の医療費を抑えました。
歩数を少し増やすだけで、これほど大きなインパクトが生まれるのです。
引用:ヘルスウォーキング(入門編) – 一般社団法人日本ウオーキング協会 JAPAN WALKING ASSOCIATION
よく歩く人ほど転ばず、仕事もはかどる
歩幅が小さく、歩く速度が遅い人は、転倒事故を起こす確率が約1.9倍に跳ね上がるというデータがあります。
試算すると
- 平均日当たり賃金1万5,000円
- 転倒で30日休むと休業補償だけで27万円
- 生産性ロスを含めて1件あたり約50万円
年間3件の転倒を防げば約150万円がそのまま戻ってきます。
さらに歩く習慣は筋力と姿勢を守り、腰痛や疲れを減らすため、欠勤率や残業時間の低下、社員満足度アップといった副次的メリットも期待できます。
引用:都市再生:健康・医療・福祉のまちづくりの推進 – 国土交通省
社内に“歩く文化”を根づかせるには
まず3か月ほど社員の歩数や転倒件数を測定し、「今の姿」を見える化します。
自分の数字を知ると「もう少し動こうかな」という気持ちが自然に芽ばえます。
その上で、続けやすい仕組みを用意しましょう。
- 目標はシンプルに:「1日+1,500歩」「転倒30%減」など覚えやすい数字を掲げる
- リアルタイムで見える化:スマホアプリや万歩計で、増える歩数をゲームのスコアのように楽しむ
- 定期フィードバックと共有:毎週個人レポートを送り、部署平均を掲示板に表示して連帯感を育てる
- 小さなご褒美を用意:月10万歩達成でドリンク券、転倒ゼロ部署にリフレッシュ休暇など日常で使える特典を
会議室を少し遠いフロアに置いたり、午後3時に“5分ウォーク”をアナウンスしたりすれば、歩くことが自然に日常へ溶け込みます。
半年ほどで医療費と労災件数が目に見えて下がり、「歩く文化」の威力を実感できるはずです。
引用:PFS × IT 歩行促進による医療費の適正化を目指して
まとめ
1日たった1,500歩のプラスが、個人には年間3万円、企業には数千万円規模の価値を生み出します。
歩くことは「健康のために仕方なくやる」ものではなく、「医療費と労災を減らし、働きやすさと業績を底上げする投資」だと考えれば、靴ひもを結ぶ気持ちも変わります。
もし歩数や歩き方をもっと正確に知りたいなら、AYUMI EYE のような歩行解析サービスを活用する方法もあります。専用モジュールとアプリで歩行データを可視化し、改善ポイントを分かりやすく示してくれるので、社員一人ひとりが“自分の歩き方”を楽しくアップデートできます。
歩数の増加とフォーム改善をセットで進めれば、医療費・労災・生産性の三つの効果をさらに高められるでしょう。
引用:歩いて暮らせるまちづくりで医療費抑制効果も期待~「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量(歩数)調査のガイドライン」を策定しました
引用:ヘルスウォーキング(入門編) – 一般社団法人日本ウオーキング協会 JAPAN WALKING ASSOCIATION
引用:都市再生:健康・医療・福祉のまちづくりの推進 – 国土交通省
引用:PFS × IT 歩行促進による医療費の適正化を目指して
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