PREMIUM COLUMN
2022/01/14
#作業療法士
#日常生活動作
目次
日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingの略です。
Activitiesは動作、Daily Livingは日常生活を意味します。日常生活動作は基本動作と応用動作に分かれます。基本動作(Base care)とは、歩いたり、立ったり、座ったり、起きたりなどの動作です。応用動作(Self care)とは、更衣・入浴・食事・排泄・整容の動作になります。食事をするにも椅子などに座り続けることで食事を続けられますし、歯磨きなどの整容動作も洗面所に立ち続けられないと出来ないことになります。よって、基本動作とは全ての動作の土台となるもので基本動作なくしては、応用動作は成り立ちません。
リハビリテーションの世界では理学療法士は基本動作の獲得、作業療法士は応用動作の獲得に向けて、患者様のリハビリプランを考え、行っていきます。その中で大事なのは「できるADL」でなく、「しているADL」なのです。
「できるADL」とは、まさにリハビリテーション室の中で基本動作や応用動作が出来る能力を指します。
「しているADL」とは、自宅や病室などの環境の中で実際に行っている生活動作のことを指します。リハビリテーション室の中で基本動作や応用動作が出来ても、実生活の中で安全に立ったり、歩いたり出来なくては意味がありません。
例えば、学校のテストで成績優秀でも、入学試験では緊張してしまい十分な実力を発揮出来ずに不合格になってしまうのと同じように、実際のリハビリテーション現場でもこういった事例が数多くあります。
ある患者様で脳出血により左片麻痺という、左手から左足まで麻痺で不自由さを感じている方がおられました。この患者様は、最初は車椅子にて移動されていましたが「歩けるようになりたい」という強い思いにより、入院中は毎日、2、3時間のリハビリを一生懸命行っておられました。
やがて、足に装具を付けて杖歩行で約20m程度は歩けるようになられました。当時、その患者様の歩行リハビリを担当していた理学療法士は、飛び跳ねるように喜んでいましたが、患者様自身はあまり喜ばれていない様子でした。
ある日、患者様は私にこうおっしゃいました。「歩けるのは嬉しい、でも本当は外で歩けるようになりたい、いつもリハビリテーション室や病棟で歩く練習をしているけど、外はまだ歩いていない。今のままでは外で歩けるか自信がない。前のように外で毎日、妻と散歩がしたいんだ」
「歩く」という思いには、人それぞれ色んな思いがあるということを知りました。「歩く」とは手段であって、そこには必ず繋がる目的がある。この患者様は「歩く」という基本動作を出来ることで、大好きな奥さんと一緒に散歩をして、これからの人生に充実感を感じる。だからこそ、「歩く」は歩けるだけではダメなんだ。患者様のそれぞれの思いの「歩く」をしっかり感じ取り、「しているADL」に結びつける「歩く」を私たちリハビリテーションの専門家は提供しないといけないと思わされました。「歩く」とはその人の「人生そのもの」なんだとも。
《ご執筆者》
堀内寛之 作業療法士
AMPS認定評価者、A-one認定評価者、早期離床アドバイザー認定、住環境コーディネーター2級、LSVT BIG認定セラピスト
高の原中央病院 作業療法士
これまでに作業療法開設に3回たずさわり、現在に至る。
著明なDr陣による股関節・膝関節の人工関節を中心に、作業療法を展開。
また、腱板損傷術後、肩 リバース型人工骨頭術後、関節鏡視下骨性バンカート修復術後のリハビリにも携わる。肩のリハビリでは、日本で初めてPTになられた方々の、著明な先生のご指導を受けた実績もある。
(実績)
・2014.09.20(土)-21(日)第56回全日本病院学会in福岡
『当院におけるMIS -THA術後患者へ動作制限を設けない場合の早期脱臼率の調査』
・2015.09.12(土)-13(日)第57回 全日本病院学会 in 北海道
『低栄養状態の患者様へロイシンというタンパク質強化の栄養補助剤を使用した症例について』
・2015.12.13(日)公益社団法人 大阪府理学療法士会主催 大阪市北ブロック 福島区民センター 公開講座
『よいリハビリでしっかり健康づくり』 ~栄養と運動の大事な関係~
など文献発表、現在「うっぷす!!」にてセラピスト向けの講演を全国にて行う。
http://r.goope.jp/oops/staff
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
03-5447-5470受付時間:平日 9:00~18:00
会員登録でさらに詳しい歩行分析ノウハウが手に入る
インタビュー
2025/07/08
【AYUMI EYEインタビュー】医療法人社団SEISEN清泉クリニック整形外科東京五反田
2024/06/19
【AYUMI EYEインタビュー】かもい名倉堂リハビリセンター 飯田さまにインタビューを行いました!!
【AYUMI EYEインタビュー】新横浜整形外科リウマチ科 石黒先生にインタビューを行いました!!
お役立ち情報
姿勢が変われば歩き方も変わる!猫背改善と歩行フォームの関係
2025/06/30
デスクワーク中の「ながら運動」で歩行力をキープする方法
2025/06/23
たった10分で足が変わる!足裏ケアの重要性とセルフメンテナンス法
その他コラム
2024/07/25
企業の健康経営施策!従業員の健康と生産性向上の両立を目指す!
トレーニング
2025/06/03
歩行速度が落ちたら要注意!ロコモ予防の簡単トレーニング法
2025/05/30
歩行データが語る“転ばない身体”のつくり方とは?
2025/05/27
データで示す、歩行改善がもたらす医療費・労災コスト削減効果
一般向けコラム
2023/04/28
正しい姿勢歩行で蠕動運動を促進!!
2023/03/03
水中歩行のメリット・デメリット
介護系コラム
2024/07/05
歩行音を分析!バタバタ歩きの原因や歩行音を軽減する方法!
2024/05/24
歩行のパフォーマンス評価を効果的に活用する方法
2024/02/16
朝と夜のウォーキングで自律神経を整える!効果的な時間帯や方法も紹介!
医療系コラム
2024/08/09
歩行障害が起こるサルコペニアとは?有効なリハビリ方法もご紹介!
2024/07/26
歩行の非対称性解析!加齢に伴う有効な評価とは?
2024/07/19
ストライド分析の有効性!高齢者の転倒予防介入への期待
歩行分析
疾患
筋肉・関節
算定報酬
2024/01/15
保護中: 機能性ソックスAYUMIASSITの転倒予防効果の検証結果
業種・業界問わずに導入されています
数名から100名超まで様々な施設でご利用頂いております。
Q1.貴院の特徴についてお聞かせください。 当院の法人としましては、まず‘本物の健康を提供する’というコンセプトで展開しております。 その中で障害を克服するためにはいかに自己治癒力を促進させるかということ […]
実際にAYUMI EYEを現場で導入いただいた、かもい名倉堂リハビリセンター 飯田さまにAYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、 インタビューを行いました。 Q1.施設の特徴を […]
実際にAYUMI EYEを現場で導入いただいた、新横浜整形外科リウマチ科 理学療法士の石黒竜平先生にAYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、 インタビューを行いました。 Q1. […]
【AYUMI EYEインタビュー】こうのす共生病院 中里科長・片桐統括部長にインタビューを行いました!!
実際にAYUMI EYE medicalを現場で導入いただいた、こうのす共生病院 科長の中里先生、および、リハビリテーション統括部長の片桐先生に、AYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの […]
【AYUMI EYEインタビュー】苑田会人工関節センター病院 田中友也さまにインタビューを行いました!!
実際にAYUMI EYE medicalを現場で導入いただいた、苑田会人工関節センター病院 理学療法士の田中友也さまに、AYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、 インタビューを […]
【AYUMI EYEインタビュー】フィッツリハ一之江 山田センター長にインタビューを行いました!!
実際にAYUMI EYEを現場で導入いただいた、フィッツリハ一之江のセンター長 山田様に、 AYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、 インタビューを行いました。 まず「フィッツ […]
【AYUMI EYEインタビュー】宝塚リハビリテーション病院 中谷先生にインタビューを行いました!!
2022年6月16日 実際にAYUMI EYEを現場で導入いただいた、宝塚リハビリテーション病院の中谷先生に、AYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、インタビューを行いました。 […]
宮崎県日南市の介護予防事業におけるAYUMI EYE導入事例
この度は、宮崎県日南市の介護予防事業におけるAYUMI EYEの導入事例をご紹介します。 1) 日南市の介護予防事業 ①事業内容についてお教えください。 ・一般介護予防事業「元気で長寿!!キープアップ教室」 元気で長寿! […]
【AYUMI Topics 小泉圭介インタビュー第5回】エクササイズに必須!プロアスリートも使用する理学療法士のおすすめアイテム
歩行機能を分析し、点数化するAYUMI EYE。質の高い歩行をしてAYUMI EYEの点数を高くするためにはどうしたら良いのでしょうか。AYUMI Topicsは、様々な専門家に歩行について伺いながら、良い歩行に役立つ情 […]
【AYUMI Topics 小泉圭介インタビュー第4回】プロアスリートもやっている簡単エクササイズをご紹介
資料請求・トライアルの申し込みはこちら
まずはサービスの詳細を確認したい方
実際の操作を試してみたい方へ
楽しく続けられるレクリエーションで結果を見える化!
2022/01/14
「作業療法士から見た歩行の重要性」
#作業療法士
#日常生活動作
目次
目次
日常生活動作(ADL)とは
日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingの略です。
Activitiesは動作、Daily Livingは日常生活を意味します。日常生活動作は基本動作と応用動作に分かれます。基本動作(Base care)とは、歩いたり、立ったり、座ったり、起きたりなどの動作です。応用動作(Self care)とは、更衣・入浴・食事・排泄・整容の動作になります。食事をするにも椅子などに座り続けることで食事を続けられますし、歯磨きなどの整容動作も洗面所に立ち続けられないと出来ないことになります。よって、基本動作とは全ての動作の土台となるもので基本動作なくしては、応用動作は成り立ちません。
「できるADL」 と 「しているADL」
リハビリテーションの世界では理学療法士は基本動作の獲得、作業療法士は応用動作の獲得に向けて、患者様のリハビリプランを考え、行っていきます。その中で大事なのは「できるADL」でなく、「しているADL」なのです。
「できるADL」とは、まさにリハビリテーション室の中で基本動作や応用動作が出来る能力を指します。
「しているADL」とは、自宅や病室などの環境の中で実際に行っている生活動作のことを指します。リハビリテーション室の中で基本動作や応用動作が出来ても、実生活の中で安全に立ったり、歩いたり出来なくては意味がありません。
例えば、学校のテストで成績優秀でも、入学試験では緊張してしまい十分な実力を発揮出来ずに不合格になってしまうのと同じように、実際のリハビリテーション現場でもこういった事例が数多くあります。
ある患者様で脳出血により左片麻痺という、左手から左足まで麻痺で不自由さを感じている方がおられました。この患者様は、最初は車椅子にて移動されていましたが「歩けるようになりたい」という強い思いにより、入院中は毎日、2、3時間のリハビリを一生懸命行っておられました。
やがて、足に装具を付けて杖歩行で約20m程度は歩けるようになられました。当時、その患者様の歩行リハビリを担当していた理学療法士は、飛び跳ねるように喜んでいましたが、患者様自身はあまり喜ばれていない様子でした。
ある日、患者様は私にこうおっしゃいました。「歩けるのは嬉しい、でも本当は外で歩けるようになりたい、いつもリハビリテーション室や病棟で歩く練習をしているけど、外はまだ歩いていない。今のままでは外で歩けるか自信がない。前のように外で毎日、妻と散歩がしたいんだ」
【まとめ】
「歩く」という思いには、人それぞれ色んな思いがあるということを知りました。「歩く」とは手段であって、そこには必ず繋がる目的がある。この患者様は「歩く」という基本動作を出来ることで、大好きな奥さんと一緒に散歩をして、これからの人生に充実感を感じる。だからこそ、「歩く」は歩けるだけではダメなんだ。患者様のそれぞれの思いの「歩く」をしっかり感じ取り、「しているADL」に結びつける「歩く」を私たちリハビリテーションの専門家は提供しないといけないと思わされました。「歩く」とはその人の「人生そのもの」なんだとも。
《ご執筆者》
堀内寛之 作業療法士
AMPS認定評価者、A-one認定評価者、早期離床アドバイザー認定、住環境コーディネーター2級、LSVT BIG認定セラピスト
高の原中央病院 作業療法士
これまでに作業療法開設に3回たずさわり、現在に至る。
著明なDr陣による股関節・膝関節の人工関節を中心に、作業療法を展開。
また、腱板損傷術後、肩 リバース型人工骨頭術後、関節鏡視下骨性バンカート修復術後のリハビリにも携わる。肩のリハビリでは、日本で初めてPTになられた方々の、著明な先生のご指導を受けた実績もある。
(実績)
・2014.09.20(土)-21(日)第56回全日本病院学会in福岡
『当院におけるMIS -THA術後患者へ動作制限を設けない場合の早期脱臼率の調査』
・2015.09.12(土)-13(日)第57回 全日本病院学会 in 北海道
『低栄養状態の患者様へロイシンというタンパク質強化の栄養補助剤を使用した症例について』
・2015.12.13(日)公益社団法人 大阪府理学療法士会主催 大阪市北ブロック 福島区民センター 公開講座
『よいリハビリでしっかり健康づくり』 ~栄養と運動の大事な関係~
など文献発表、現在「うっぷす!!」にてセラピスト向けの講演を全国にて行う。
http://r.goope.jp/oops/staff
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
03-5447-5470
受付時間:平日 9:00~18:00