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ここでは、お客様の声の一部をご紹介します。
2026/09/24
歩行分析で「未病」は見つけられるのか?症状が出る前の身体変化を捉える可能性
目次
「病気ではないけれど、なんとなく調子が悪い」——こうした状態を東洋医学では古くから「未病」と呼んできました。現代の予防医学においても、症状が現れる前の身体変化をいかに早く捉えるかが健康寿命延伸の鍵として注目されています。
そしていま、その「未病」の発見に歩行分析が役立てられる可能性が研究で示されつつあります。歩行速度・歩幅・歩行リズムのばらつきといった歩行データは、自覚症状が現れるよりはるか前から身体の変化を映し出す「先行指標」として機能する可能性があるのです。
今回は、「未病」という概念と歩行分析の接点を探り、症状が出る前の身体変化を捉える歩行データの可能性についてご説明します。
目次
「未病」とは何か――健康と疾病の間にある状態
未病とは、東洋医学で古くから使われてきた概念で、「健康と病気の間にある状態」を意味します。
未病という言葉の源流は、最古の漢方医学の古典『黄帝内経 素問』や鍼灸の古典『難経』に見られます。『難経』七十七難の「上工は未病を治し、中工は已病を治す」は特に有名な一節で、「最も優れた医者は病気になる前の状態(未病)を治す」という意味を持っています。
西洋医学では「疾病でなければ健康、健康でなければ疾病」という二元的な健康観をとりますが、東洋医学の一元的な健康観では健康から疾病に至る過程を連続的に捉えます。すなわち「健康の程度は高い状態から低い状態まであり、それが低下すると疾病の状態に至る」という考え方です。
現代医学においても、健康診断の数値が「基準値内」であっても「体の不調を感じる」「疲れが取れない」「集中力が落ちる」といった訴えは珍しくありません。こうした「数値には現れないが明らかに変化している状態」が現代的な未病の姿であり、いかに早期に気づき対処するかが健康寿命の分岐点となります。
(引用;未病とは?どんな状態?症状や予防、対策方法を知っておこう | 大黒ドラッグ)
(引用;未病 | 上水内農業協同組合(JA長野))
(引用;未病とは | 国土交通省北陸地方整備局)
歩行データが「未病のサイン」を映し出す
歩行は全身の神経・筋骨格・心肺・認知系が統合的に関与する行為です。そのため、いずれかのシステムに変化が生じると、自覚症状として現れる前に歩行パターンとして現れることがあります。以下の3つの研究知見がその可能性を強く示しています。
① 認知症診断の「12年前」から歩行速度は低下し始める
アメリカのオレゴン健康科学大学の研究では、65歳以上の高齢者を平均9年追跡した結果、軽度認知障害(MCI)と診断された人は健康なグループと比べ歩行速度が毎年1秒あたり0.01mずつ遅くなっていくことが確認されました。さらに、歩行速度の低下はMCIと診断されるよりも平均して約12年前から始まっていることが示されています。
東京都健康長寿医療センター研究所の総説でも、アルツハイマー病に関連する病理変化(アミロイドβ・タウの蓄積など)は認知症の症状が明らかになる10〜20年前から進行していると考えられており、「明確な認知機能障害が現れる前に、歩行速度の低下など微細な歩行機能の変化が表れる可能性がある」と指摘されています。
(引用;歩行速度と認知機能には関係がある? | 大同生命)
(引用;なぜ歩行機能の低下は認知症発症と関連するのか? | 東京都健康長寿医療センター研究所)
② 歩行速度+ストライド長が認知症発症リスクと有意に関連
J-STAGEに掲載された縦断研究では、歩行能力の低下の中でも歩行速度とストライド長(歩幅)の低下が認知症の発症と有意な関連性を持つことが示されました。「認知症のリスク評価を行う場合には、認知機能評価だけでなく歩行能力についてもあわせて評価し、各個人の機能低下に応じた介入を行う必要がある」とされています。
さらに健康長寿ネットが整理した17の縦断研究のメタ分析では、歩行速度が遅い群は速い群と比べて認知機能低下のリスクが1.89倍・認知症のリスクが1.66倍であり、この知見は米国・イタリア・スウェーデン・中国・日本・イスラエルの研究から得られた人種を越えた普遍的な関係として報告されています。
(引用;認知症の発症と関連する歩行指標の検討 | J-STAGE(理学療法学))
(引用;歩行速度は認知機能低下を予測:人種を越えた普遍的意義 | 健康長寿ネット)
③ MCI+歩行速度低下の組み合わせで認知症発症リスクが3.49倍
国立長寿医療研究センターによる3,749名を対象とした縦断研究(平均追跡42.7か月)では、MCIのみを有する群の認知症発症ハザード比が2.05倍であったのに対し、MCI+歩行速度低下を両方持つ群では3.49倍にのぼりました。歩行速度の低下という「身体の変化」と認知機能低下という「脳の変化」が重なることで、リスクが相乗的に高まることを示す重要なエビデンスです。
(引用;軽度認知機能障害と歩行速度低下により認知症の発症リスクは増加するか? | J-STAGE(理学療法学))
歩行分析が「未病の検知装置」として機能するメカニズム
なぜ歩行データが症状の出る前から変化を捉えられるのでしょうか。その理由は「歩行が全身の統合アウトプット」であることにあります。
全身のどこかが変わると、歩き方に出る
歩行は前頭葉・基底核・小脳・筋骨格系・心肺系が同時連携して動作するため、いずれか1つのシステムの微細な変化が歩行パターンに波及します。たとえば、
これらの変化は「疲れやすい」「なんとなくだるい」という自覚症状より先に、数値として検出できる可能性があります。
「平均値」ではなく「ばらつき」が未病を映す
未病の検知において特に注目すべきなのが、歩行の「ばらつき(変動係数)」です。歩行速度の平均値が正常範囲内でも、一歩ごとのリズムや歩幅の乱れ(変動係数の増大)は、身体システムの不安定性のサインとして機能します。
これは血液検査の「基準値内」に相当する状態でも、歩行のばらつきというより細かい指標では変化が捉えられるということを意味します。「平均値は正常、でもばらつきは増えている」——この状態こそが、まさに現代的な「未病」を歩行分析が映し出す姿です。
(引用;なぜ今「歩行の安定性評価」が重要なのか | HOMER ION)
未病管理のための歩行モニタリングの実践ポイント
歩行分析を未病の検知・管理に活かすためには、以下のアプローチが有効です。
定期的な歩行測定で「変化のトレンド」を把握する
未病は一点の測定では捉えられません。月1回・3か月ごとの定期測定でデータを蓄積し、「3か月前と比べて歩行速度が0.05m/秒低下した」「歩行リズムのばらつきが増えてきた」という変化のトレンドを追うことが重要です。点ではなく線でデータを見ることが、未病の早期検知につながります。
歩行速度の「年齢別目標値」との比較
東京都介護予防・フレイル予防ポータルが示す年齢別目標歩行速度(65〜74歳:男性1.2m/秒・女性1.1m/秒、75歳以上:男性1.0m/秒・女性0.9m/秒)を基準に、現在の歩行速度がどの位置にあるかを確認することが出発点です。目標値からの乖離が大きいほど、未病から疾病への移行リスクが高まります。
(引用;東京都介護予防・フレイル予防ポータル)
「量(歩数)」と「質(歩行分析)」を組み合わせる
歩数計で「量」を管理しながら、歩行分析で「質」を同時に評価することで、より精度の高い未病管理が実現します。「毎日8,000歩歩いているが歩行速度は低下している」という状態は、未病のサインとして介入が必要な状態かもしれません。歩数と歩行の質の両方を組み合わせることが、次世代の未病モニタリングの姿です。
まとめ
今回は「歩行分析で『未病』は見つけられるのか?症状が出る前の身体変化を捉える可能性」についてご説明しました。
東洋医学が2,000年以上前から重視してきた「未病を治す」という考え方は、現代の歩行分析という技術と接続することで新たな可能性を持ちます。歩行速度の低下は認知症診断の12年前から始まり、歩行リズムのばらつきは平均値が正常でも現れる——こうした研究知見は、歩行データが「症状が出る前の身体変化を映す未病の窓」として機能することを示しています。
そこで最後に、未病の早期検知に活用できる「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することができるデバイスです。
簡単かつ正確に歩行状態が分析できるため、歩行速度・歩幅・歩行リズムのばらつきを定期的に記録・比較し、症状が出る前の微細な身体変化を「数値の変化」として捉える健康モニタリングに活用できます。
ぜひ、歩行分析を「未病を治す」という古来の知恵と現代予防医学をつなぐツールとして活用し、健康寿命の延伸を目指していきましょう。
(参考資料)
(引用;未病とは?どんな状態?症状や予防、対策方法を知っておこう | 大黒ドラッグ)
(引用;未病 | 上水内農業協同組合(JA長野))
(引用;未病とは | 国土交通省北陸地方整備局)
(引用;歩行速度と認知機能には関係がある? | 大同生命)
(引用;なぜ歩行機能の低下は認知症発症と関連するのか? | 東京都健康長寿医療センター研究所)
(引用;認知症の発症と関連する歩行指標の検討 | J-STAGE(理学療法学))
(引用;歩行速度は認知機能低下を予測:人種を越えた普遍的意義 | 健康長寿ネット)
(引用;軽度認知機能障害と歩行速度低下により認知症の発症リスクは増加するか? | J-STAGE(理学療法学))
(引用;なぜ今「歩行の安定性評価」が重要なのか | HOMER ION)
(引用;東京都介護予防・フレイル予防ポータル)