PREMIUM COLUMN
2023/01/27
目次
歩行のリハビリテーションについて、医学専門用語は避けて通れません。
特に異常歩行には多くの種類があり、その様子を表す言葉にも当然多くの専門用語が使われています。
医療関係など専門職ではなければ理解が難しい言葉があるため、今回のコラムでは、よく取り上げられる異常歩行や歩行リハビリの現場でよく使われる専門用語についてまとめてご紹介します。
歩行時のクリアランス低下の原因と改善について解説!
歩行は足が地面についている立脚期と離れている遊脚期に分けて考えることができます。
このうち遊脚期では地面と足が触れてしまうと歩行効率が下がったり、つまづいたりして転倒してしまう危険性があります。
特につま先と地面の距離であるト―クリアランスは年を取ると小さくなることがあり、転倒予防のために重要な指標です。
小刻み歩行の原因や具体的な症状、予防法やリハビリ方法についてご紹介
歩幅とは、進行方向に対して足の縦の距離を指し、横の距離は歩隔と呼びます。
このうち歩幅が極端に短くなってしまうのが小刻み歩行です。
パーキンソン病などの神経疾患をお持ちの患者さんに特徴的な歩行様式です。
運動失調性とは?歩行の特徴とリハビリ方法について紹介
運動が障害される疾患のうち、有名なものに脳卒中が挙げられます。
脳卒中では、脳のうち運動を行うために必要な最初の信号を発する部分が障害されるため、運動そのものを行うことができなくなる運動麻痺という症状が現れます。
一方で、運動麻痺は起こっていなくとも運動の協調性が障害されている状態を運動失調と呼びます。
代表的なものに小脳もしくはその連絡路が障害される小脳性の運動失調があり、特徴的な歩行様式を示します。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの特徴と歩行分析について
筋ジストロフィーと呼ばれる、筋肉そのものに機能障害が生じて筋力低下が起こる疾患を有する患者さんに特徴的な歩行様式です。
トレンデレンブルグ歩行とデュシャンヌ歩行の違いとは?特徴や原因・改善する方法を紹介
歩行の立脚期において、骨盤を水平に保つためには中殿筋などに代表される股関節外転筋群が重要です。
変形性股関節症を有する患者さんや高齢者ではこれらの筋群に筋力低下が起き、骨盤を水平に保つことが難しくなってきます。
その結果、骨盤が反対側へ傾くことをトレンデレンブルグ歩行、それに対して体幹が同側へ傾くことをデュシャンヌ歩行と呼びます。
内反尖足が起こる原因、歩行での弊害とは?
生まれつき、もしくは上位運動ニューロン障害と呼ばれる病気によってつま先が下に、足裏が内側に向いてしまい持ち上げることが難しくなる状態を指します。
そのまま歩こうとするとクリアランスが低下するため、ぶん回し歩行や伸びあがり歩行といった特徴的な歩行様式を示します。
二重課題歩行とは?認知機能を高めて高齢者の転倒防止
私たちが運動を行う場合、最初の指令は脳から発せられます。 一方で、脳は運動だけではなく私たちが何かを考える際にも働きます。
そのため、運動を行いながら何かを考えることにより脳の機能を評価したり、トレーニングしたりすることができます。
【足関節の異常運動】過度の回内外、ヒールオフ、トゥドラッグ、反対側の伸び上がりについて
遊脚期のクリアランスが低下した場合に、反対側の足でつま先立ちするようにしながら足を地面に擦らないように伸びあがる歩行を指します。
歩行分析における反張膝について
膝が正常範囲を超えて伸びてしまう状態を反張膝と呼びます。
生まれながらの関節弛緩性や足関節の背屈制限による歩行中の代償運動が原因となることがあります。
「ぶん回し歩行」とは?脳の病気との意外な関係性について
こちらも遊脚期のクリアランスが低下した場合に生じます。
足をまっすぐ振り出すと地面を擦ってしまうため、股関節を外転し(開き)、外側を大きく回すように振り出します。
歩行中の歩隔変化が歩行安定性に及ぼす影響
歩行中の足と足の横方向距離を歩隔と呼びます。
歩行の安定性を高めるためにこの歩隔を大きくしながら歩くこともあり、また歩隔を大きくすることによって股関節・膝関節にかかる力学的負荷を減らせるといった報告もあります。
【歩行分析】歩行のバイオメカニクスとは?3つの回転軸(ロッカー機能)の役割と評価について
英語ではrockerと書き、揺り子のことを指します。
歩行中に重心を前方へ移動させるために機能する重要な機構です。
疾患によってこれらの機能が障害されると、歩行の効率が下がったり、スピードが低下したりします。
歩行運動とリズムの関係とは?CPGの機能低下とリズムの改善について
歩行の制御に関して未だ完全に明らかにされているわけではありませんが、左右の足が意図せず交互に出てくるようなリズムを制御していると言われているのが中枢パターン発生器(central pattern generator: CPG)です。
3動作歩行と2動作歩行の違いを解説
杖や歩行器などを用いた歩行の際に用いる言葉です。
3動作は杖(歩行器)→右足(左足)→左足(右足)、2動作は杖(歩行器)および右足(左足)→左足(右足)という順序で歩行します。
3動作のほうが安定性を得られるため、リハビリテーション開始初期ではこちらが良く用いられます。
今回は歩行リハビリの現場や歩行評価の際によく使われる専門用語についてそれぞれを簡単に解説しました。
詳しい解説はそれぞれを詳しく解説した記事がありますのでそちらも参照いただければ幸いです。
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2023/01/27
歩行のリハビリテーションで使われる専門用語について
目次
歩行のリハビリテーションについて、医学専門用語は避けて通れません。
特に異常歩行には多くの種類があり、その様子を表す言葉にも当然多くの専門用語が使われています。
医療関係など専門職ではなければ理解が難しい言葉があるため、今回のコラムでは、よく取り上げられる異常歩行や歩行リハビリの現場でよく使われる専門用語についてまとめてご紹介します。
目次
クリアランス
歩行は足が地面についている立脚期と離れている遊脚期に分けて考えることができます。
このうち遊脚期では地面と足が触れてしまうと歩行効率が下がったり、つまづいたりして転倒してしまう危険性があります。
特につま先と地面の距離であるト―クリアランスは年を取ると小さくなることがあり、転倒予防のために重要な指標です。
小刻み歩行
歩幅とは、進行方向に対して足の縦の距離を指し、横の距離は歩隔と呼びます。
このうち歩幅が極端に短くなってしまうのが小刻み歩行です。
パーキンソン病などの神経疾患をお持ちの患者さんに特徴的な歩行様式です。
失調性歩行
運動が障害される疾患のうち、有名なものに脳卒中が挙げられます。
脳卒中では、脳のうち運動を行うために必要な最初の信号を発する部分が障害されるため、運動そのものを行うことができなくなる運動麻痺という症状が現れます。
一方で、運動麻痺は起こっていなくとも運動の協調性が障害されている状態を運動失調と呼びます。
代表的なものに小脳もしくはその連絡路が障害される小脳性の運動失調があり、特徴的な歩行様式を示します。
動揺性歩行
筋ジストロフィーと呼ばれる、筋肉そのものに機能障害が生じて筋力低下が起こる疾患を有する患者さんに特徴的な歩行様式です。
トレンデレンブルグ歩行
歩行の立脚期において、骨盤を水平に保つためには中殿筋などに代表される股関節外転筋群が重要です。
変形性股関節症を有する患者さんや高齢者ではこれらの筋群に筋力低下が起き、骨盤を水平に保つことが難しくなってきます。
その結果、骨盤が反対側へ傾くことをトレンデレンブルグ歩行、それに対して体幹が同側へ傾くことをデュシャンヌ歩行と呼びます。
内反尖足
生まれつき、もしくは上位運動ニューロン障害と呼ばれる病気によってつま先が下に、足裏が内側に向いてしまい持ち上げることが難しくなる状態を指します。
そのまま歩こうとするとクリアランスが低下するため、ぶん回し歩行や伸びあがり歩行といった特徴的な歩行様式を示します。
二重課題歩行
私たちが運動を行う場合、最初の指令は脳から発せられます。 一方で、脳は運動だけではなく私たちが何かを考える際にも働きます。
そのため、運動を行いながら何かを考えることにより脳の機能を評価したり、トレーニングしたりすることができます。
伸びあがり歩行
遊脚期のクリアランスが低下した場合に、反対側の足でつま先立ちするようにしながら足を地面に擦らないように伸びあがる歩行を指します。
反張膝
膝が正常範囲を超えて伸びてしまう状態を反張膝と呼びます。
生まれながらの関節弛緩性や足関節の背屈制限による歩行中の代償運動が原因となることがあります。
ぶん回し歩行
こちらも遊脚期のクリアランスが低下した場合に生じます。
足をまっすぐ振り出すと地面を擦ってしまうため、股関節を外転し(開き)、外側を大きく回すように振り出します。
歩隔
歩行中の足と足の横方向距離を歩隔と呼びます。
歩行の安定性を高めるためにこの歩隔を大きくしながら歩くこともあり、また歩隔を大きくすることによって股関節・膝関節にかかる力学的負荷を減らせるといった報告もあります。
ロッカー機能
英語ではrockerと書き、揺り子のことを指します。
歩行中に重心を前方へ移動させるために機能する重要な機構です。
疾患によってこれらの機能が障害されると、歩行の効率が下がったり、スピードが低下したりします。
CPG
歩行の制御に関して未だ完全に明らかにされているわけではありませんが、左右の足が意図せず交互に出てくるようなリズムを制御していると言われているのが中枢パターン発生器(central pattern generator: CPG)です。
3動作、2動作
杖や歩行器などを用いた歩行の際に用いる言葉です。
3動作は杖(歩行器)→右足(左足)→左足(右足)、2動作は杖(歩行器)および右足(左足)→左足(右足)という順序で歩行します。
3動作のほうが安定性を得られるため、リハビリテーション開始初期ではこちらが良く用いられます。
まとめ
今回は歩行リハビリの現場や歩行評価の際によく使われる専門用語についてそれぞれを簡単に解説しました。
詳しい解説はそれぞれを詳しく解説した記事がありますのでそちらも参照いただければ幸いです。
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AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
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