歩行者の心理的影響による歩行変化7つを紹介

人間は時と場合によって、歩き方が変わります。

怪我をしたわけでもなく、履き慣れないハイヒールを履いたわけでもないのに歩き方が変わるのです。

そんな時は、心理的な影響が関わっている可能性があります。

歩行の心理的影響を理解しておくことは、歩行分析において必要な項目の1つです。

この記事では、歩行における心理的影響について、さまざまなジャンルの歩き方を例に、性格や心理的な側面からご紹介致します。

歩行における心理的影響とは

歩行において、心理的な側面はどのように影響しているのでしょうか。

人の全体的印象は、55%がボティーランゲージ、38%は声、そしてたった7%が話している内容で決まると言われています。

小さな歩幅で足を引きずり、肩を落として歩いている人を見て、直感的にいきいきとした様子だと感じる人はいないと思います。

右手と右足が同時に動き歩いているのを見ると、緊張しているのかな?と感じます。

つまり、歩行分析において、心理的影響は大きいということが言えます。

ネガティブ心理時の歩行状態

悲しみと意気消沈に影響されたネガティブな心理状態の歩行は以下の特徴があります。

・歩行率、歩行スピード、歩幅が明らかに減少する
・両脚支持期の時間が明らかに増大する
・床反力が減少する
・立脚後期における前方推進力が減少する
・腕の交互の振りが欠落する
・すべての歩行周期において過度の膝関節屈曲がみられる
・肩と骨盤の交互の反対の動きが減少もしくは欠落する
・身体重心が大きく左右へ動揺する

ポジティブ心理時の歩行状態

楽しく幸せな精神状態、ポジティブな心理状態の歩行は以下の特徴があります。

・歩行率、歩行スピード、歩幅は正常に比べて増大する
・両脚支持期の時間が縮小する
・強い床反力が生じる
・適切な前方推進力である
・適切な腕の振りである
・体幹が直立している
・膝関節の正常な動きである
・肩と骨盤の交互の反対の動きが適切である
・身体重心が適切な動きである

性格・心理的影響で変わる歩行の特徴7つ

ボティーランゲージのような観点より、歩行分析の能力を磨くことは大切です。

ここでは、さまざまなジャンルの歩行と、その性格や心理的特徴についてご紹介します。

小股歩き

体格に比べて小さな歩幅で歩く人を示します。

物事の詳細を重要視し、秩序を大切にする性格です。

細かいことまで把握しておかないと気がすまないという特徴があります。

専門家の詳細な説明を受けて納得がいくとアドバイスを受け入れるという特徴があるので、治療ではそういった特徴を意識することが必要となるでしょう。

大股歩き

体格に比べて大きな歩幅で歩く人を示します。

好んで詳細を飛ばし、個別の現象から全体像を推測する人です。

「小言にとらわれず大局をつかむ」がモットーと言えます。

詳細なことに固執するのではなく、全体的な流れや大まかな雰囲気から説明していくほうが、治療においては進めやすいと言えるでしょう。

いきいき軽やか歩き

いきいきと軽やかに歩く人は、緊張を解いている状態であることがわかります。

精神状態は歩行に相応します。

さらに、軽やかな腕の振りは行動する喜びを示しています。

前腕歩き

前腕を胸の前に構えて動きを制限し、肘から歩きます。

ボクサーのような防衛本能が関わっている可能性があります。

手の甲歩き

手の甲を前に向けて、敏感な手のひらを守りながら歩く人を示します。

肩と骨盤の動きは抑制され、軽やかな歩行は不可能です。

口数が少ないのが特徴で、情報が少なく囲い込まれた印象です。

このような特徴の人から何かを知りたい場合は、正確に質問することが求められます。

黙秘はしませんが、質問しなければ答えは出てこないタイプです。

レール歩き

首は動かずピクピクとした感じの頭の動きがまっすぐな姿勢を強調しています。

目的をしっかりと持っているのが特徴です。

よそ見は時間の浪費と考え、歩行プランとコンセプトは既に決定しています。

計画を重要視し、即興的なものに対しては混乱を感じるタイプです。

きょろきょろ歩き

首がよく動き、多くの情報を取り込んでいます

外界の事象に対し常に興味津々で、心を開いています。

情報収集のために目的地に向かうのに時間がかかり、レール歩きとは真逆です。

治療場面において、このような特徴の人に何かを提案する時は、多様性のあるものが良いと言えます。

〈参考文献〉
1)Kirsten Gotz-Neumann (2014) 観察による歩行分析 原著 第1版第14刷 医学書院

まとめ

歩行分析における心理的影響について、さまざまなジャンルの歩き方を例に、性格や心理的な側面からご紹介致しました。

歩行分析は、身体的側面だけではありません。

歩行の心理的影響を理解しておくことは、歩行分析において必要な項目の1つです。

ボディーランゲージの観点からも、歩行分析の能力を磨いていきましょう。

普段から心理的側面を意識して歩行を観察すると、色々な気付きがあるかもしれません。

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