PREMIUM COLUMN
2024/01/12
目次
スポーツ場面のトレーニングで良く耳にする「ストレッチ・ショートニング・サイクル」。
ストレッチ・ショートニング・サイクル(以下SSC)とは、筋や腱が筋紡錘の伸張反射作用により、直後に強く素早く短縮される機能のことを言います。
SSCはスポーツ場面だけではなく、日常生活や歩行においても大きな働きがあります。
今回は、歩行パフォーマンスを上げるために必要なSSCの役割について解説していきます。
SSCを理解していきながら、歩行能力の維持・向上を目指していきましょう。
私たちが筋力のパワーを最大に発揮できるためには、主に下記の要因が求められます。
そこで、SSCにより通常脳からの指令が出てから最大限の筋力を発揮するまでにかかる時間を短縮。
また、伸長反射を働かせて弾性エネルギーをうまく利用できるため、最大限のパワーを引き出すことができます。
引用元:陸上競技の理論と実践~Sprint & Conditioning~ 脚のバネを鍛える?(SSC運動: ストレッチ・ショート二ング・サイクル)
SSCは「伸長ー短縮サイクル」の力を指します。「伸長ー短縮サイクル」については、高く飛び跳ねる際の動作でご説明します。
高く上に飛び跳ねようとする際、そのまま足を伸ばしながら飛ぶことはなく、一旦膝を曲げてから飛ぶでしょう。
膝を曲げた際、大腿四頭筋など引き伸ばされる筋肉は耐えようとします。
その際、同時に両端の腱が引き伸ばされて、弾性エネルギーとして力を蓄えます。
そして飛ぶ瞬間、筋の収縮力に加えて腱の弾性エネルギーが解放されることにより、大きな力を得ることができるのです。
以上の一連の動作が「伸長ー短縮サイクル」になり、SSCの働きです。
SSCは、飛び跳ねる場面以外にも下記のようなときに使われています。
スポーツで使われているSSCの場面
また、スポーツ場面ではSSC運動とともに、強度の高いプライオメトリックトレーニングを導入することで、さらなる競技力向上を図ることができます。
日常生活の場面で使われているSSC場面
また、SSCを知っていると無理な力を入れずに歩行が目指せるため、歩行パフォーマンスにも変化が出てくるでしょう。
引用元:Motion Base ストレッチショートニングサイクル(SSC)とは?パフォーマンスアップに欠かせない基礎知識
引用元:TRAINER’S LAB 「生体力学」SSC(ストレッチショートニングサイクル)とは?VOL.2
SSCの歩行時に活躍する仕組みをご説明します。
まず、歩行ではターミナルスタンスで足関節背屈運動が起こります。
すると、下腿三頭筋-アキレス腱に弾性エネルギーが蓄積されて、プレスイングで解放されることによって推進力が向上。
その際に歩幅が大きくなれば、股関節の伸展作用で腸腰筋や大腿直筋にも弾性エネルギーが加わり、歩行をアシストしてくれます。
また、股関節の伸展作用に関しては、楽に歩くためには非常に重要な要素になります。
股関節の伸展がうまくできていると、腸腰筋をスムーズに伸ばしてバネのように使うことができるため、楽な歩き方ができるのです。
しかし、股関節が固くなり伸展動作がうまくできなくなると、腸腰筋もうまく使えないため、不安定で疲れやすい歩き方になってしまいます。
そのため、SSCを生かした歩行パフォーマンス向上のためにも、股関節伸展の機能を高めていくことが必要です。
引用元:国立がん研究センター ホームエクササイズ(股関節伸展編)
高齢者にとってSSCを生かした歩行パフォーマンスを上げる目的は、転倒のリスクを減らして安全歩行につなげることです。
そこで、高齢者がSSCの効果を最大限に発揮して安全歩行をする目的で求められるものをご紹介します。
特に、上記のなかでも大きな歩幅の獲得による地面反力が、SSC運動のパワーを引き出すために大きく影響していることが先行研究で分かっています。
しかし、高齢者の安全歩行には歩幅を大きくしてSSCの力を発揮するだけではなく、歩行リズムやバランスも安定していくことが必要です。
引用元:J-STAGE はずみ運動を用いて評価した高齢者における伸張─短縮サイクル運動の遂行能力
今回は「歩行パフォーマンス向上にもつながるSSCとは?」についてご説明しました。
SSCを理解してパワーを引き出すことは、歩行や日常生活などあらゆる場面で今より楽な体の動きを実現してくれます。
しかし、SSCは歩行パフォーマンス向上につながるヒントにはなりますが、総合的な歩行能力の取得にはなりません。
安全かつ安心歩行を目指すためには、歩行リズムや歩幅が増えていったときのバランスなど、細かい評価・分析が必要です。
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AYUMI EYEは、歩行能力を維持・向上するために必要な「推進力」「バランス」「リズム」の3点を正確に評価・分析することができます。
現在、医療分野や介護施設など幅広く利用されているAYUMI EYEを活用して、SSCの力を発揮しながら、総合的な歩行パフォーマンスの向上につなげていきましょう。
(参考資料)ストレッチショートニングサイクル(SSC)とは?パフォーマンスアップに欠かせない基礎知識ストレッチショートニングサイクル(SSC)第4回 伸ばしてから縮める:伸張―短縮サイクル運動特定非営利活動法人 日本ストレッチング協会 「伸張反射とは」 よりはずみ運動を用いて評価した高齢者における 伸張─短縮サイクル運動の遂行能力関節角度に与える影響・歩行速度変化が底屈トルク第7話 伸張‐短縮サイクル(Stretch-Shortening Cycle; SSC)のトレーニング爆発的な力発揮トレーニング見落としがちな歩き方のポイント(その2)
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
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お問い合わせ
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2024/01/12
歩行パフォーマンス向上にもつながるSSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)とは?
目次
スポーツ場面のトレーニングで良く耳にする「ストレッチ・ショートニング・サイクル」。
ストレッチ・ショートニング・サイクル(以下SSC)とは、筋や腱が筋紡錘の伸張反射作用により、直後に強く素早く短縮される機能のことを言います。
SSCはスポーツ場面だけではなく、日常生活や歩行においても大きな働きがあります。
今回は、歩行パフォーマンスを上げるために必要なSSCの役割について解説していきます。
SSCを理解していきながら、歩行能力の維持・向上を目指していきましょう。
目次
SSCで大きなパワーが発揮される理由とは?
私たちが筋力のパワーを最大に発揮できるためには、主に下記の要因が求められます。
そこで、SSCにより通常脳からの指令が出てから最大限の筋力を発揮するまでにかかる時間を短縮。
また、伸長反射を働かせて弾性エネルギーをうまく利用できるため、最大限のパワーを引き出すことができます。
SSCの「伸長ー短縮サイクル」の仕組み
SSCは「伸長ー短縮サイクル」の力を指します。「伸長ー短縮サイクル」については、高く飛び跳ねる際の動作でご説明します。
高く上に飛び跳ねようとする際、そのまま足を伸ばしながら飛ぶことはなく、一旦膝を曲げてから飛ぶでしょう。
膝を曲げた際、大腿四頭筋など引き伸ばされる筋肉は耐えようとします。
その際、同時に両端の腱が引き伸ばされて、弾性エネルギーとして力を蓄えます。
そして飛ぶ瞬間、筋の収縮力に加えて腱の弾性エネルギーが解放されることにより、大きな力を得ることができるのです。
以上の一連の動作が「伸長ー短縮サイクル」になり、SSCの働きです。
SSCの機能が発揮されている場面
SSCは、飛び跳ねる場面以外にも下記のようなときに使われています。
スポーツで使われているSSCの場面
また、スポーツ場面ではSSC運動とともに、強度の高いプライオメトリックトレーニングを導入することで、さらなる競技力向上を図ることができます。
日常生活の場面で使われているSSC場面
また、SSCを知っていると無理な力を入れずに歩行が目指せるため、歩行パフォーマンスにも変化が出てくるでしょう。
歩行パフォーマンス向上に役立つSSC
SSCの歩行時に活躍する仕組みをご説明します。
まず、歩行ではターミナルスタンスで足関節背屈運動が起こります。
すると、下腿三頭筋-アキレス腱に弾性エネルギーが蓄積されて、プレスイングで解放されることによって推進力が向上。
その際に歩幅が大きくなれば、股関節の伸展作用で腸腰筋や大腿直筋にも弾性エネルギーが加わり、歩行をアシストしてくれます。
また、股関節の伸展作用に関しては、楽に歩くためには非常に重要な要素になります。
股関節の伸展がうまくできていると、腸腰筋をスムーズに伸ばしてバネのように使うことができるため、楽な歩き方ができるのです。
しかし、股関節が固くなり伸展動作がうまくできなくなると、腸腰筋もうまく使えないため、不安定で疲れやすい歩き方になってしまいます。
そのため、SSCを生かした歩行パフォーマンス向上のためにも、股関節伸展の機能を高めていくことが必要です。
高齢者の安全歩行に必要なSSCを高める方法
高齢者にとってSSCを生かした歩行パフォーマンスを上げる目的は、転倒のリスクを減らして安全歩行につなげることです。
そこで、高齢者がSSCの効果を最大限に発揮して安全歩行をする目的で求められるものをご紹介します。
特に、上記のなかでも大きな歩幅の獲得による地面反力が、SSC運動のパワーを引き出すために大きく影響していることが先行研究で分かっています。
しかし、高齢者の安全歩行には歩幅を大きくしてSSCの力を発揮するだけではなく、歩行リズムやバランスも安定していくことが必要です。
まとめ
今回は「歩行パフォーマンス向上にもつながるSSCとは?」についてご説明しました。
SSCを理解してパワーを引き出すことは、歩行や日常生活などあらゆる場面で今より楽な体の動きを実現してくれます。
しかし、SSCは歩行パフォーマンス向上につながるヒントにはなりますが、総合的な歩行能力の取得にはなりません。
安全かつ安心歩行を目指すためには、歩行リズムや歩幅が増えていったときのバランスなど、細かい評価・分析が必要です。
そこでおすすめなのが、AYUMI EYEです。
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現在、医療分野や介護施設など幅広く利用されているAYUMI EYEを活用して、SSCの力を発揮しながら、総合的な歩行パフォーマンスの向上につなげていきましょう。
(参考資料)
ストレッチショートニングサイクル(SSC)とは?パフォーマンスアップに欠かせない基礎知識
ストレッチショートニングサイクル(SSC)
第4回 伸ばしてから縮める:伸張―短縮サイクル運動
特定非営利活動法人 日本ストレッチング協会 「伸張反射とは」 より
はずみ運動を用いて評価した高齢者における 伸張─短縮サイクル運動の遂行能力
関節角度に与える影響・歩行速度変化が底屈トルク
第7話 伸張‐短縮サイクル(Stretch-Shortening Cycle; SSC)のトレーニング
爆発的な力発揮トレーニング
見落としがちな歩き方のポイント(その2)
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
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