PREMIUM COLUMN
2024/03/08
目次
小児の歩行異常があった場合、まず疑うべき病気とされている「ペルテス病」は、大腿骨頭の血行障害が起こる股関節の病気です。
ペルテス病は、治癒がうまくできないと大腿骨頭が変形して股関節の動きが悪くなり、歩行困難に陥ってしまう危険があります。
また、ペルテス病は治療が終わった後、大人になってから二次性変形性股関節症で悩まされている方も少なくありません。
そこで、今回はペルテス病の歩行障害と二次性変形性股関節症について、詳しくご説明します。
子供の頃にペルテス病を患った方や、現在二次性変形性股関節症で悩まされている方はこちらの記事を参考にしてください。
ペルテス病は、はっきりとした原因は明らかではありませんが、主に次のようなことが考えられています。
また、発生率は1万人に1.5人と言われており、好発年齢は4〜7歳です。
引用元:神奈川県立こども医療センター ペルテス病
引用元:レイヤードチャンネル やさしく学ぶ-骨・関節の病気 ペルテス病
ペルテス病は、発症から修復機転が終了するまでに、次の4つの病期に大別されています。
また、完全に修復するまで約3〜5年かかるとされていますが、特に滑膜炎期~分節期の始めまではもっとも骨がつぶれやすい時期になるため、注意が必要です。
なお、一度骨がつぶれてしまうと、つぶれたままの形で新生骨ができてしまい、変形した骨頭になります。
引用元:滋賀県立小児保健医療センター ペルテス病の概略
ペルテス病は、主に次のような症状が起こります。
なお、初発症状の多くは、股関節に軽い痛みや跛行があります。
また、ペルテス病は痛みをほとんど訴えないケースもあり、特に年少児は足をひきづるだけの症状の場合もあります。
引用元:公益社団法人 日本整形外科学会 ペルテス病
ペルテス病は、発症年齢や病巣範囲によって治療が必要なものとそうでない場合がありますが、ここでは手術治療を行った場合の歩行獲得時期についてご説明します。
通常、術後約2〜4週間は、骨格筋の筋萎縮による関節拘縮が生じやすくなります。
固定期間中は関節拘縮の発生を抑制するために、次のような行動が必要です。
また、ペルテス病は治療が不完全で終わってしまうと、大人になってから変形性股関節症になり、痛みや歩行障害が生じてしまうことがあります。
そのため、完全治癒に向けて入院中の治療はもちろん、退院後も歩行訓練の継続や正しい歩き方の意識付けが必要になります。
引用元:よしだクリニック こどもさんの脚の痛み ペルテス病 治療編
次に、欧米で報告されているペルテス病の後遺障害の研究についてご紹介します。
いくつかある研究報告のなかで、Weinstein(アメリカ2000)、Lecuire(フランス2002)らが報告した結果には、次のような共通項が2点ありました。
1つ目は、ペルテス病は、いったん治った後に疼痛などの症状が出る場合は主に40〜50歳以降が多く、50歳以降に人工関節などの手術症例が年齢とともに増加するとのことです。
2つ目が、変形による疼痛が出るか出ないかを左右するのは、骨頭が球面か非球面であるかの違いが大きな要因として考えられるとのことです。
以上のことを念頭に置きながら、ペルテス病で成人になってからも、痛みが生じない生活を送ることを目標にしていく必要があります。
特に、ペルテス病から発症しやすい変形性股関節症の予防を行うことは重要です。
引用元:J-Stage 脚長差を伴う先天股脱ペルテス病様変化に対する股関節補正および大腿骨延長併用手術
最後に、ペルテス病が原因で起こりやすい変形性股関節症の予防法についてご説明します。
予防で大切になるのは、次のような股関節にかかる負担をできるだけ減らす工夫をしていくことです。
特に、正座をしたりあぐらをかいたりすることは控えましょう。
股関節を深く曲げて座る姿勢は、股関節に過度の負担がかかってしまいます。
また、股関節に負担をかけないように全身をバランス良く動かしながら、15分程度のウォーキングなど軽い運動を習慣にしましょう。
なお、ウォーキングをする際は、股関節に負担がかからないようにバランス良く歩くことがポイントです。
具体的には、足の裏で大地をしっかりと捉えているようなイメージでリズム良く歩きましょう。
さらに、背筋は無理なく伸ばしながら両肩を水平に維持することを心がけましょう。
引用元:【西島ゼミ】PTOT国試対策チャンネル 【関節症①】変形性関節症の概要【理学療法士・作業療法士】
引用元:【西島ゼミ】PTOT国試対策チャンネル 【関節症②】変形性股関節症(先天性股関節脱臼・ペルテス病)【理学療法士・作業療法士】
今回は「ペルテス病の歩行障害と二次性変形性股関節症について」についてご説明しました。
ペルテス病が原因で起こる二次性変形性股関節症の予防は、股関節に負担がかからないような歩き方を習得することが大切です。
また、正しい歩き方を習得するためには、日頃から歩行リズムやバランスを観察・評価していくことが効果的です。
そこで、歩行評価に最適なデバイスである「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な推進力・バランス・リズムの3点を正確に測定・評価できるため、股関節に負担がかかっている際の歩行修正にも役立ちます。
ぜひ、リハビリ現場など多くの医療機関でも使われているAYUMI EYEを活用しながら、股関節の痛みや不安を抱えることなく、いつまでも安心して歩ける力を身につけていきましょう。
参考URL:ペルテス病についてペルテス病に対する周術期の理学療法―ギプス固定期間別にみた歩行獲得時期の違いについて小児骨関節疾患のリハビリテーションペルテス病の治療概略
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
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2024/03/08
ペルテス病の歩行障害と二次性変形性股関節症について
目次
小児の歩行異常があった場合、まず疑うべき病気とされている「ペルテス病」は、大腿骨頭の血行障害が起こる股関節の病気です。
ペルテス病は、治癒がうまくできないと大腿骨頭が変形して股関節の動きが悪くなり、歩行困難に陥ってしまう危険があります。
また、ペルテス病は治療が終わった後、大人になってから二次性変形性股関節症で悩まされている方も少なくありません。
そこで、今回はペルテス病の歩行障害と二次性変形性股関節症について、詳しくご説明します。
子供の頃にペルテス病を患った方や、現在二次性変形性股関節症で悩まされている方はこちらの記事を参考にしてください。
目次
ペルテス病の原因や発生頻度
ペルテス病は、はっきりとした原因は明らかではありませんが、主に次のようなことが考えられています。
また、発生率は1万人に1.5人と言われており、好発年齢は4〜7歳です。
ペルテス病の発症から修復機転まで
ペルテス病は、発症から修復機転が終了するまでに、次の4つの病期に大別されています。
また、完全に修復するまで約3〜5年かかるとされていますが、特に滑膜炎期~分節期の始めまではもっとも骨がつぶれやすい時期になるため、注意が必要です。
なお、一度骨がつぶれてしまうと、つぶれたままの形で新生骨ができてしまい、変形した骨頭になります。
ペルテス病の主な症状
ペルテス病は、主に次のような症状が起こります。
なお、初発症状の多くは、股関節に軽い痛みや跛行があります。
また、ペルテス病は痛みをほとんど訴えないケースもあり、特に年少児は足をひきづるだけの症状の場合もあります。
ペルテス病術後の歩行獲得に向けての注意点
ペルテス病は、発症年齢や病巣範囲によって治療が必要なものとそうでない場合がありますが、ここでは手術治療を行った場合の歩行獲得時期についてご説明します。
通常、術後約2〜4週間は、骨格筋の筋萎縮による関節拘縮が生じやすくなります。
固定期間中は関節拘縮の発生を抑制するために、次のような行動が必要です。
また、ペルテス病は治療が不完全で終わってしまうと、大人になってから変形性股関節症になり、痛みや歩行障害が生じてしまうことがあります。
そのため、完全治癒に向けて入院中の治療はもちろん、退院後も歩行訓練の継続や正しい歩き方の意識付けが必要になります。
ペルテス病の後遺障害が発生する傾向と要因
次に、欧米で報告されているペルテス病の後遺障害の研究についてご紹介します。
いくつかある研究報告のなかで、Weinstein(アメリカ2000)、Lecuire(フランス2002)らが報告した結果には、次のような共通項が2点ありました。
1つ目は、ペルテス病は、いったん治った後に疼痛などの症状が出る場合は主に40〜50歳以降が多く、50歳以降に人工関節などの手術症例が年齢とともに増加するとのことです。
2つ目が、変形による疼痛が出るか出ないかを左右するのは、骨頭が球面か非球面であるかの違いが大きな要因として考えられるとのことです。
以上のことを念頭に置きながら、ペルテス病で成人になってからも、痛みが生じない生活を送ることを目標にしていく必要があります。
特に、ペルテス病から発症しやすい変形性股関節症の予防を行うことは重要です。
ペルテス病が原因で起こる変形性股関節症の予防法
最後に、ペルテス病が原因で起こりやすい変形性股関節症の予防法についてご説明します。
予防で大切になるのは、次のような股関節にかかる負担をできるだけ減らす工夫をしていくことです。
特に、正座をしたりあぐらをかいたりすることは控えましょう。
股関節を深く曲げて座る姿勢は、股関節に過度の負担がかかってしまいます。
また、股関節に負担をかけないように全身をバランス良く動かしながら、15分程度のウォーキングなど軽い運動を習慣にしましょう。
なお、ウォーキングをする際は、股関節に負担がかからないようにバランス良く歩くことがポイントです。
具体的には、足の裏で大地をしっかりと捉えているようなイメージでリズム良く歩きましょう。
さらに、背筋は無理なく伸ばしながら両肩を水平に維持することを心がけましょう。
まとめ
今回は「ペルテス病の歩行障害と二次性変形性股関節症について」についてご説明しました。
ペルテス病が原因で起こる二次性変形性股関節症の予防は、股関節に負担がかからないような歩き方を習得することが大切です。
また、正しい歩き方を習得するためには、日頃から歩行リズムやバランスを観察・評価していくことが効果的です。
そこで、歩行評価に最適なデバイスである「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な推進力・バランス・リズムの3点を正確に測定・評価できるため、股関節に負担がかかっている際の歩行修正にも役立ちます。
ぜひ、リハビリ現場など多くの医療機関でも使われているAYUMI EYEを活用しながら、股関節の痛みや不安を抱えることなく、いつまでも安心して歩ける力を身につけていきましょう。
参考URL:
ペルテス病について
ペルテス病に対する周術期の理学療法―ギプス固定期間別にみた歩行獲得時期の違いについて
小児骨関節疾患のリハビリテーション
ペルテス病の治療概略
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