PREMIUM COLUMN
2023/07/14
目次
LCS(腰部脊柱管狭窄症)は、主に発症は40歳以上から始まり、60歳以上の方に多く見られる病気です。
症状は、しばらく歩くと足に痛みやしびれが生じて、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」が特徴です。
今回は、腰部脊柱管狭窄症における歩行の特徴である間欠性跛行や、他の疾患との鑑別方法についてご説明します。
また、LCSの歩行リハビリのポイントもご紹介しますので、最後までご覧ください。
LCSとは、神経の通り道となる脊柱管が様々な原因で狭くなり、神経の圧迫障害が起きている状態です。
圧迫される神経によって、馬尾型、神経根型、馬尾神経と神経根の両方が圧迫される混合型の3つに大別されます。
また、LCSの代表的な原因は加齢です。
加齢により、椎間板が潰れて背骨が安定しなくなります。
結果、背骨が変形したり、脊柱管の中の靭帯が太くなったりして、硬膜が圧迫されてしまい、神経の血流の低下を招いてしまいます。
LCSは、腰を後ろに反らせたり、立ったり、歩いたりすると脊柱管は細くなり、痛みを伴います。
逆に、座ったり、前屈すると脊柱管が太くなるため、症状が急激に良くなる傾向です。
特に、長時間立つ姿勢は良くなく、血流障害が起きるため、ひどくなると最終的には間欠性跛行につながります。
間欠性跛行とは、立位時や歩行時に臀部から足にかけて、痛みやしびれが生じます。
そのため、長時間連続して歩くことが困難になります。
また、しばらく休んだり、前かがみでしゃがんだりすると、症状が軽減されるのが特徴です。
歩くと足が痛くなるのは、LCS以外の病気や疾患でも起こります。
そのため、LCSと他の疾患との鑑別を正確にしなければいけません。
主に、LCS同様歩行の痛みが出る代表的な症状は下記の3つです。
それぞれの鑑別方法について確認していきましょう。
LCSと関連性が高いのが「動脈硬化性の閉塞症」です。
動脈硬化性は、狭窄症の約10%の方が合併しています。
特徴は、背骨の姿勢や前屈、後屈と関係がなく、運動負荷をかけると足が痛くなることです。
その点、LCSとは違って自転車に乗っていても痛くなります。
加齢に伴う「股関節などの関節症」の病気が合併している場合も歩く際に痛みを感じます。
一般的には、股関節などの関節症の場合は、歩き始めから痛くなります。
一方、LCSの場合、歩き始めは比較的問題がありません。
5〜10分ほど歩いていると徐々に症状が強くなっていき、最後には座り込んでしまいます。
最近すごく増えているのが「骨粗鬆症」です。
骨粗鬆症は、骨が弱くなり脊椎の圧迫骨折などが生じて、背骨が後弯してしまうことがあります。
背骨が前に曲がってしまうと、背筋が弱くなり、しっかり支えがないと立位が難しくなります。
一般的に、歩行の際に腰痛が生じますが、狭窄症のような足のしびれなどの神経症状は伴いません。
一般に正常歩行では背筋が伸びて、大股で歩くことが出来れば理想的です。
しかし、LCSの患者は、一般にいう理想的な歩行が当てはまらないことがあります。
なぜなら、狭窄部の圧力が通常の歩行に比べて前屈位の歩行で減少するからです。
また、今までの研究で歩き方も大股に比べて小股歩行の方が圧力が減少することが報告されています。
そのため、LCSの患者は狭窄部の圧力上昇が足部のしびれや疼痛を招くため、腰だけを無理に真っ直ぐにする必要性は低いのかも知れません。
もし、歩行の際、足部のしびれや疼痛の感覚異常を起こしたら、背中を一度丸めてみることも試してみましょう。
なお、背骨の変形が少なく神経の圧迫による症状が軽度の場合は、アプローチが変わります。
腰の反りを少しだけ修正した姿勢を作ることにより、しびれや疼痛が減弱することがあります。
近年、高齢人口増加や高齢者の活動性向上に伴い、LCSに対する手術治療の件数は増加傾向にあります。
手術治療は飛躍的に進歩しており、術後早期からの離床が可能になり、入院期間の短縮化も進んでいます。
また、今までの研究により、術後の長時間の歩行遂行が可能になるには、股関節外転や伸展といった股関節周囲筋群が重要な役割を果たしていると報告されています。
逆に、術前の中殿筋の機能低下が著しい場合は、術後退院後の連続歩行距離に影響を及ぼす確率も高くなります。
そのため、歩行リハビリで早期回復を目指すには、術前からの下半身の筋力維持が重要です。
今回は「LCS(腰部脊柱管狭窄症)の歩行の特徴と術前術後のリハビリのポイントについて」説明しました。
LCSのリハビリには、歩行バランスや歩行間隔など細かい数値で分析しながら、段階的に進めていく必要があります。
その点、AYUMI EYEは、歩行リハビリの強い味方になる評価・分析が正確に数値化できるデバイスです。
歩行機能に大切な「推進力」「バランス」「リズム」3点を分析・評価することが可能で、一人ひとりの歩行レベルを素早く認識することができます。
ぜひ、AYUMI EYEを活用しながら、LCSの効率的な歩行リハビリに役立てていきましょう。
(参考資料)腰部脊柱管狭窄症の歩行について大森裕介他_腰部脊柱管狭窄症術後患者の退院時連続歩行距離に影響する因子について
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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2023/07/14
LCS(腰部脊柱管狭窄症)の歩行の特徴と術前術後のリハビリのポイントについて
目次
LCS(腰部脊柱管狭窄症)は、主に発症は40歳以上から始まり、60歳以上の方に多く見られる病気です。
症状は、しばらく歩くと足に痛みやしびれが生じて、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」が特徴です。
今回は、腰部脊柱管狭窄症における歩行の特徴である間欠性跛行や、他の疾患との鑑別方法についてご説明します。
また、LCSの歩行リハビリのポイントもご紹介しますので、最後までご覧ください。
目次
LCS(腰部脊柱管狭窄症)とは?
LCSとは、神経の通り道となる脊柱管が様々な原因で狭くなり、神経の圧迫障害が起きている状態です。
圧迫される神経によって、馬尾型、神経根型、馬尾神経と神経根の両方が圧迫される混合型の3つに大別されます。
また、LCSの代表的な原因は加齢です。
加齢により、椎間板が潰れて背骨が安定しなくなります。
結果、背骨が変形したり、脊柱管の中の靭帯が太くなったりして、硬膜が圧迫されてしまい、神経の血流の低下を招いてしまいます。
LCSの特徴的症状である「間欠性跛行」
LCSは、腰を後ろに反らせたり、立ったり、歩いたりすると脊柱管は細くなり、痛みを伴います。
逆に、座ったり、前屈すると脊柱管が太くなるため、症状が急激に良くなる傾向です。
特に、長時間立つ姿勢は良くなく、血流障害が起きるため、ひどくなると最終的には間欠性跛行につながります。
間欠性跛行とは、立位時や歩行時に臀部から足にかけて、痛みやしびれが生じます。
そのため、長時間連続して歩くことが困難になります。
また、しばらく休んだり、前かがみでしゃがんだりすると、症状が軽減されるのが特徴です。
LCSと他の疾患の鑑別方法
歩くと足が痛くなるのは、LCS以外の病気や疾患でも起こります。
そのため、LCSと他の疾患との鑑別を正確にしなければいけません。
主に、LCS同様歩行の痛みが出る代表的な症状は下記の3つです。
それぞれの鑑別方法について確認していきましょう。
動脈硬化性の閉塞症
LCSと関連性が高いのが「動脈硬化性の閉塞症」です。
動脈硬化性は、狭窄症の約10%の方が合併しています。
特徴は、背骨の姿勢や前屈、後屈と関係がなく、運動負荷をかけると足が痛くなることです。
その点、LCSとは違って自転車に乗っていても痛くなります。
股関節などの関節症
加齢に伴う「股関節などの関節症」の病気が合併している場合も歩く際に痛みを感じます。
一般的には、股関節などの関節症の場合は、歩き始めから痛くなります。
一方、LCSの場合、歩き始めは比較的問題がありません。
5〜10分ほど歩いていると徐々に症状が強くなっていき、最後には座り込んでしまいます。
骨粗鬆症
最近すごく増えているのが「骨粗鬆症」です。
骨粗鬆症は、骨が弱くなり脊椎の圧迫骨折などが生じて、背骨が後弯してしまうことがあります。
背骨が前に曲がってしまうと、背筋が弱くなり、しっかり支えがないと立位が難しくなります。
一般的に、歩行の際に腰痛が生じますが、狭窄症のような足のしびれなどの神経症状は伴いません。
LCS患者の歩行リハビリのアプローチ方法
一般に正常歩行では背筋が伸びて、大股で歩くことが出来れば理想的です。
しかし、LCSの患者は、一般にいう理想的な歩行が当てはまらないことがあります。
なぜなら、狭窄部の圧力が通常の歩行に比べて前屈位の歩行で減少するからです。
また、今までの研究で歩き方も大股に比べて小股歩行の方が圧力が減少することが報告されています。
そのため、LCSの患者は狭窄部の圧力上昇が足部のしびれや疼痛を招くため、腰だけを無理に真っ直ぐにする必要性は低いのかも知れません。
もし、歩行の際、足部のしびれや疼痛の感覚異常を起こしたら、背中を一度丸めてみることも試してみましょう。
なお、背骨の変形が少なく神経の圧迫による症状が軽度の場合は、アプローチが変わります。
腰の反りを少しだけ修正した姿勢を作ることにより、しびれや疼痛が減弱することがあります。
LCSの歩行回復につながる術前術後の必要ポイントとは?
近年、高齢人口増加や高齢者の活動性向上に伴い、LCSに対する手術治療の件数は増加傾向にあります。
手術治療は飛躍的に進歩しており、術後早期からの離床が可能になり、入院期間の短縮化も進んでいます。
また、今までの研究により、術後の長時間の歩行遂行が可能になるには、股関節外転や伸展といった股関節周囲筋群が重要な役割を果たしていると報告されています。
逆に、術前の中殿筋の機能低下が著しい場合は、術後退院後の連続歩行距離に影響を及ぼす確率も高くなります。
そのため、歩行リハビリで早期回復を目指すには、術前からの下半身の筋力維持が重要です。
まとめ
今回は「LCS(腰部脊柱管狭窄症)の歩行の特徴と術前術後のリハビリのポイントについて」説明しました。
LCSのリハビリには、歩行バランスや歩行間隔など細かい数値で分析しながら、段階的に進めていく必要があります。
その点、AYUMI EYEは、歩行リハビリの強い味方になる評価・分析が正確に数値化できるデバイスです。
歩行機能に大切な「推進力」「バランス」「リズム」3点を分析・評価することが可能で、一人ひとりの歩行レベルを素早く認識することができます。
ぜひ、AYUMI EYEを活用しながら、LCSの効率的な歩行リハビリに役立てていきましょう。
(参考資料)
腰部脊柱管狭窄症の歩行について
大森裕介他_腰部脊柱管狭窄症術後患者の退院時連続歩行距離に影響する因子について
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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