PREMIUM COLUMN
2024/04/26
目次
歩行に与える影響として、年齢や疾患などとともに「性差」が挙げられます。
また、性差は年齢を重ねていくうちに歩行に違いがでてきます。
今回、こちらの記事では、性差による歩行の特徴について詳しく説明していきます。
性差による歩行の特徴を把握しながら、いつまでも健康的な歩行を目指していきましょう。
性差における歩行の影響については、今までもさまざまな研究結果が挙げられています。
次に、研究結果をもとに、性差が歩行のどのような部分で影響を与えているのかについて、見ていきましょう。
始めに、性差による歩行の影響として、歩行時の姿勢の違いについてご説明します。
身体全体の運動学的・運動力学的特徴に与える影響を研究した結果によると、男女の歩行姿勢には違いがあることを確認しています。
女性の歩き方は、男性に比べて全体的に背筋が伸びた姿勢になる傾向があるとのことです。
一方、男性は全体的に背筋が曲がった猫背のような姿勢になり、その結果首が曲がって顎が出た状態になりやすいとのことです。
また、1歩行周期を通して女性は体幹の伸展モーメントを発揮しており、男性は屈曲モーメントを生じていることを示唆しています。
このような結果から、歩行の際に筋肉や関節の負担割合にも性差が起こることが推測されます。
引用元:IATSS 公益財団法人国際交通安全学会 阿久津 邦男 歩行の運動生理
次に、性差による歩行周期の変動性についてご説明します。
歩行周期の変動性については、神戸大学大学院の保健学研究科グループが行った調査が参考になります。
調査は、健常若年の成人男女46名で25mの自由歩行中の歩容指標の値を比較しました。
調査結果では、健常の若年成人の歩行安定性について、以下のような性差があることがわかりました。
なお、一般的に自由歩行条件下での歩行速度での性差は認められませんでした。
この調査結果によると、健常若年成人の通常歩行では女性は男性に比べて、歩行周期の変動性が大きいことが示唆されています。
引用元:大阪大学 産業科学研究所 複合知能メディア研究分野(八木研究室) 万波 秀年 歩行の姿勢の違い
性差による歩行周期の変動性があることは、歩行時の両脚支持時間についても違いがあることがわかります。
そこで、両脚支持時間の性差については、厚生労働科学研究成果データベースが対象年齢を合わせて実施された調査が参考になります。
調査では、性差による通常歩行時と速歩行時の速度の違いを測りました。
その結果、通常歩行時の速度については有意な性差は認められませんでしたが、速歩行時の速度については、有意が認められました。
また、両脚支持時間については、速歩行時に有意な性差は認められませんでしたが、 通常歩行時に有意な性差が認められています。
以上のことから、通常歩行時に見られる有意な性差については、重心のかけ方の違いや筋力の違いなどが影響していることが考えられます。
引用元:note ちーりん 【男女差】 股関節の男女差 -形態から考えてみよう!
歩行に性差があるのは示唆されていますが、次に気になるのが原因です。
一般的には、男性より女性の筋力が低いことから、性差の原因として挙げられるのが、男女間の筋力差です。
特に、筋肉のなかでも性差の原因として、若年女性は男性と比較した下肢筋力に着目している研究発表があります。
その研究結果では、女性の方が立脚期中に大殿筋・中殿筋・小殿筋・大腿広筋群の筋張力の増加が認められました。
また、股関節や膝関節周囲の単関節筋を過剰に用いて歩行を行っていることも示唆されています。
そのため、特に女性の歩行の安定には、下肢筋力向上と股関節や膝関節の負担を軽減する歩き方の評価・習得が必要になるでしょう。
引用元:理学療法士かげやんの3D解剖学ラボ 骨盤の性差【3Dで学ぶ解剖学】男女で骨盤はどう違うの?
次に、加齢に伴い変化していく歩行の性差について見ていきましょう。
その点については、年齢と性差に関連した歩行の影響について調査した研究があります。
その研究結果では、歩行速度・歩幅・歩行時の下肢関節運動や筋活動の違いなどの性差を認めました。
その上で、加齢に伴い歩行動作や下肢筋量の変化があることについても明らかにしています。
具体的には、女性の歩幅・歩行速度の減少は、男性より早く始まり減少程度も大きいとのことです。
そのため、加齢による歩行の影響は、男性よりも女性において深刻であることが考えられます。
引用元:東京都立大学 【研究発表】歩行中の蹴り出し力が低下するメカニズムを解明 ―加齢に伴う歩行の変化の理解へ寄与―
今回は「「性差」による歩行の特徴!加齢で歩行に影響しやすいのは女性?男性?」についてご説明しました。
歩行は性差により大きく異なり、特に女性は筋肉や関節の使い方にも特徴があります。
また、女性の方が加齢に伴い歩行速度など歩容の変化を感じやすい傾向もあります。
そのため、歩行の際のバランスを整えていくことが、いつまでも健康的な歩行を続けることにつながるでしょう。
そこで、最後に歩行に必要な要素である「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価できる「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、測定した歩行データをもとに歩行の総合評価ができるデバイスです。
歩くテンポを可視化して確認できるため、持続的な安定歩行を身につけることに役立ちます。
現在、医療機関やリハビリ現場、高齢者施設など多くの分野で活躍しているAYUMI EYEを活用しながら、理想的な歩行バランスを手に入れましょう。
(参考資料)齋藤早紀子他|年齢と性別が歩行中の全身の運動学的・運動力学的特徴に与える影響の分析厚生労働科学研究成果データベース|柳澤 信夫(国立療養所中部病院)他 加齢に伴う運動機能・認知機能の変化についての研究戸田 晴貴他丨歩行中の下肢筋張力における性差九州大学学術情報リポジトリ 日本人女性における歩行動作,下肢筋量および年齢との関連性J-stage 牧浦 大祐他|歩行の安定性に性差は存在するのか?─加速度計を用いた歩行解析による検討─
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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2024/04/26
「性差」による歩行の特徴!加齢で歩行に影響しやすいのは女性?男性?
目次
歩行に与える影響として、年齢や疾患などとともに「性差」が挙げられます。
また、性差は年齢を重ねていくうちに歩行に違いがでてきます。
今回、こちらの記事では、性差による歩行の特徴について詳しく説明していきます。
性差による歩行の特徴を把握しながら、いつまでも健康的な歩行を目指していきましょう。
目次
「性差」における歩行の影響
性差における歩行の影響については、今までもさまざまな研究結果が挙げられています。
次に、研究結果をもとに、性差が歩行のどのような部分で影響を与えているのかについて、見ていきましょう。
歩行の姿勢の違い
始めに、性差による歩行の影響として、歩行時の姿勢の違いについてご説明します。
身体全体の運動学的・運動力学的特徴に与える影響を研究した結果によると、男女の歩行姿勢には違いがあることを確認しています。
女性の歩き方は、男性に比べて全体的に背筋が伸びた姿勢になる傾向があるとのことです。
一方、男性は全体的に背筋が曲がった猫背のような姿勢になり、その結果首が曲がって顎が出た状態になりやすいとのことです。
また、1歩行周期を通して女性は体幹の伸展モーメントを発揮しており、男性は屈曲モーメントを生じていることを示唆しています。
このような結果から、歩行の際に筋肉や関節の負担割合にも性差が起こることが推測されます。
歩行周期の変動性の違い
次に、性差による歩行周期の変動性についてご説明します。
歩行周期の変動性については、神戸大学大学院の保健学研究科グループが行った調査が参考になります。
調査は、健常若年の成人男女46名で25mの自由歩行中の歩容指標の値を比較しました。
調査結果では、健常の若年成人の歩行安定性について、以下のような性差があることがわかりました。
なお、一般的に自由歩行条件下での歩行速度での性差は認められませんでした。
この調査結果によると、健常若年成人の通常歩行では女性は男性に比べて、歩行周期の変動性が大きいことが示唆されています。
歩行の両脚支持時間の違い
性差による歩行周期の変動性があることは、歩行時の両脚支持時間についても違いがあることがわかります。
そこで、両脚支持時間の性差については、厚生労働科学研究成果データベースが対象年齢を合わせて実施された調査が参考になります。
調査では、性差による通常歩行時と速歩行時の速度の違いを測りました。
その結果、通常歩行時の速度については有意な性差は認められませんでしたが、速歩行時の速度については、有意が認められました。
また、両脚支持時間については、速歩行時に有意な性差は認められませんでしたが、 通常歩行時に有意な性差が認められています。
以上のことから、通常歩行時に見られる有意な性差については、重心のかけ方の違いや筋力の違いなどが影響していることが考えられます。
「性差」の歩行に影響を与える下肢筋力や関節
歩行に性差があるのは示唆されていますが、次に気になるのが原因です。
一般的には、男性より女性の筋力が低いことから、性差の原因として挙げられるのが、男女間の筋力差です。
特に、筋肉のなかでも性差の原因として、若年女性は男性と比較した下肢筋力に着目している研究発表があります。
その研究結果では、女性の方が立脚期中に大殿筋・中殿筋・小殿筋・大腿広筋群の筋張力の増加が認められました。
また、股関節や膝関節周囲の単関節筋を過剰に用いて歩行を行っていることも示唆されています。
そのため、特に女性の歩行の安定には、下肢筋力向上と股関節や膝関節の負担を軽減する歩き方の評価・習得が必要になるでしょう。
「性差」の歩行で加齢に伴う影響の違い
次に、加齢に伴い変化していく歩行の性差について見ていきましょう。
その点については、年齢と性差に関連した歩行の影響について調査した研究があります。
その研究結果では、歩行速度・歩幅・歩行時の下肢関節運動や筋活動の違いなどの性差を認めました。
その上で、加齢に伴い歩行動作や下肢筋量の変化があることについても明らかにしています。
具体的には、女性の歩幅・歩行速度の減少は、男性より早く始まり減少程度も大きいとのことです。
そのため、加齢による歩行の影響は、男性よりも女性において深刻であることが考えられます。
まとめ
今回は「「性差」による歩行の特徴!加齢で歩行に影響しやすいのは女性?男性?」についてご説明しました。
歩行は性差により大きく異なり、特に女性は筋肉や関節の使い方にも特徴があります。
また、女性の方が加齢に伴い歩行速度など歩容の変化を感じやすい傾向もあります。
そのため、歩行の際のバランスを整えていくことが、いつまでも健康的な歩行を続けることにつながるでしょう。
そこで、最後に歩行に必要な要素である「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価できる「AYUMI EYE」をご紹介します。
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(参考資料)
齋藤早紀子他|年齢と性別が歩行中の全身の運動学的・運動力学的特徴に与える影響の分析
厚生労働科学研究成果データベース|柳澤 信夫(国立療養所中部病院)他 加齢に伴う運動機能・認知機能の変化についての研究
戸田 晴貴他丨歩行中の下肢筋張力における性差
九州大学学術情報リポジトリ 日本人女性における歩行動作,下肢筋量および年齢との関連性
J-stage 牧浦 大祐他|歩行の安定性に性差は存在するのか?─加速度計を用いた歩行解析による検討─
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