【AYUMI Topics 小泉圭介インタビュー第4回】プロアスリートもやっている簡単エクササイズをご紹介

歩行機能を分析し、点数化するAYUMI EYE。質の高い歩行をしてAYUMI EYEの点数を高くするためにはどうしたら良いのでしょうか。AYUMI Topicsは、様々な専門家に歩行について伺いながら、良い歩行に役立つ情報を皆様にお届けするシリーズです。

第1回として、北島康介氏や萩野公介選手を始めとしたオリンピック選手への幅広い指導経験をお持ちであり、現在は株式会社パフォームベタージャパンのテクニカルディレクターを務められている小泉圭介様にインタビューを敢行しました。その様子を5回に渡ってお届けします。

4回目となる今回は、良い歩行の条件と歩行の質を高めるエクササイズについてお話を伺いました。

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小泉圭介 様

1971年1月、福井県出身。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。理学療法士(認定スポーツ理学療法)、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー。日本水泳連盟医事委員、日本身体障がい者水泳連盟技術委員。フィットネスクラブでインストラクター経験を積んだ後、理学療法士免許を取得。複数の病院でリハビリテーション業務に携わり、東京衛生学園専門学校専任教員、国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部アスレティックトレーナー、東京スポーツレクリエーション専門学校専任教員を経て令和2年より東都大学幕張ヒューマンケア学部理学療法学科講師を務める。

良い歩行に必要なのは「何はともあれ足関節」

―今までのお話の中でも出てきましたが、良い歩行の成立条件についてはいかがでしょうか。

小泉氏:何はともあれ足関節が1番大事で、次に股関節だと思います。立位と歩行をコントロールしているのはふくらはぎです。

足関節が硬くなって後方重心になったり、下腿の筋が使えなかったり、それで前に体重が乗っていかないというケースもあります。さらに、股関節の伸展をいかにコントロールができるのかという点も重要です。

股関節は、元々の構造が屈曲位に適合性が高いわけですから、自然と曲がっていってしまいます。

それを伸展位で動的にコントロールする能力が非常に大切です。

猫背になるのはしょうがない?正しい姿勢のポイント

―姿勢で1番ポイントになるところはどこでしょうか。

小泉氏:立位姿勢では、基本的には重心線が関節の中心に近いところを通っているので、あまり筋肉を使っていない状態が望ましいです。

その上で、足関節だけはくるぶしの少し前に重心が落ちているので、身体の構造としてわずかに前傾になります。それを、足関節がふくらはぎを使って止めています。逆に足関節が固まると、重心線がくるぶしの真上や後方を通るため、体重が後ろに乗っている状態になってしまいます。

股関節は伸びにくく曲がりやすい関節です。加えて体幹をみると、背骨は後ろにあって内臓系は全部前にあります。つまりフロントスクワットをやっているような状態ですから、上体が前方へ傾きやすい。当然胸椎も丸まってきやすく、全体の構造的に猫背になりやすい状態です。

足関節、股関節、胸椎がポイントです。身体の構造上、望ましくない姿勢になりがちです。したがって、①足関節がふくらはぎで支えること、②股関節が丸まっていかないようにお尻で支えること、③胸の後ろの背筋がしっかり働き、姿勢が丸まらないように後ろで支えること、が重要です。細かいことを言えば色々ありますが、基本的にはこの3点がうまく機能することによって良い姿勢は作れます。

わずかに前に体重が乗っているということが大事で、このように胸の後ろ、お尻、そしてふくらはぎで支えられると一番機能的だと思います。

歩行の質を高める!エクササイズ初級編

―良い歩行を行うためのトレーニングの紹介をお願いしたいと思います。

一番安全にできるレベルだと、ふくらはぎの下腿三頭筋を鍛える座位でのエクササイズになるのでしょうか。

小泉氏:そうですね。姿勢と歩行の観点において、ふくらはぎの後側で支えられるか否かという点が非常に重要です。この部分が固まってしまうことで、構造的・機能的に足関節を伸ばす動きに制限が出てくる方がとても多いので、高齢の方は特に、とにかく足首を動かして下腿三頭筋を使いましょう。

まず、シンプルに求心性収縮(筋肉の長さが縮む収縮)で下腿三頭筋を動かしましょう。

それに加えて、下腿三頭筋の遠心性収縮(筋肉の長さが伸びる収縮)を出して、足関節をしっかりと止めて支えられるようにする感覚が重要だと思います。

歩行の質を高める!エクササイズ応用編

小泉氏:次のエクササイズは、足の親指の付け根である拇趾球の部分までで立位をとり、わずかに踵を挙げて、0°のところで止めてふくらはぎで支えるトレーニングです。

積極的に足首を曲げるわけではなく、身体全体でわずかに前のめりになる。下腿三頭筋で支えて、足の裏の体重がかかる部分が踵寄りではなく中央になるイメージです。

―筋トレというよりは、どちらかというと身体・筋肉の使い方の学習ということでしょうか。

小泉氏:そうですね。下腿三頭筋、お尻、背中は重要ですので、個別にトレーニング、エクササイズしていくことはもちろん必要ですが、最終的にはこういった筋肉の使い方が椅子に掴まらずにできることが求められます。

少なくとも少し前傾し、前方に体重を乗せた状態を維持できるようにするために、必要な部分をエクササイズしていくという感覚です。これができれば転倒のリスクは相当少なくなります。

―ぜひ早稲田イーライフでこれをやりたいですね。

小泉氏:これによって足圧中心が変わる、あるいはこの状態で歩いてみてAYUMI EYEのパラメーターが変わるなどの変化が出てくることで、転倒のリスクが軽減されると非常に良いでしょう。

以前、僕がメディカルフィットネス(病院・診療所に併設されている運動施設)で働いていた時に、高齢者の方がペダルを踵に当ててエアロバイクを漕いでいました。

踵で漕ぐとふくらはぎを使わずに太ももばかり使うことになるので、拇趾球部でペダルを漕ぎましょう、とアドバイスをしました。それだけでふくらはぎを使うことになりますので、効率が変わります。

次回は、エクササイズに必須のおすすめアイテムについて伺います。

※インタビュー協力:Perform Better Japan

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