PREMIUM COLUMN
2022/02/04
目次
歩行分析には、加速度センサーが広く使われています。
はじめて歩行分析に触れる方のなかには、加速度センサーとはなにかわからない方もいることでしょう。
加速度センサーはスマートフォンやロボットなどに使われており、現代社会を支える重要な技術のひとつです。
本記事では加速度センサーについて、詳しく解説します。
加速度センサーとは、文字通り加速度を検出できる機器です。加速度とは、「1秒間で時速2kmから時速6kmにスピードアップした」などというように、物体の速度がどう変化したかを示す数値です。単位時間あたりの速度の変化率と言ったりします。
縦・横・高さといった3次元での検出を行えますので、方向の変化をとらえられることも特徴に挙げられます。
このため加速度センサーでは以下に挙げる、さまざまな計測が可能です。
・方向と速度、およびその変化量
・傾きの程度
・衝撃や振動
上記の計測を実現する仕組みは、以下のとおりです。
加速度センサーの内部では、おもりと圧電素子が接した状態となっています。
おもりが動くたびに圧電素子は伸び縮みし、電荷が変化します。
電荷を計測することでどの程度動きがあったのかを計算でき、画面などへの表示が可能となります。
また加速度センサーは計測する対象によって、いくつかの種類に分かれます。
たとえば車体制御など低い加速度で計測する場合は静電容量式、衝突の検知など加速度が高くなる場合は圧電式が適しています。
一方でスマートフォンなど小型の機器には、ピエゾ抵抗式がよく選ばれます。
加速度センサーは、さまざまな分野で活用されています。
代表的な項目を、以下に挙げました。
・スマートフォンやパソコン、デジタルカメラなどのデジタル機器
・ゲーム機(家庭用、業務用とも)
・自動車
・測量や位置情報を提供するサービス
・建設業
・ロボット
・ドローン
・機器・機械メーカー(精度検証など)
・防災(地震観測や斜面の監視など)
加速度センサーは日々の生活やさまざまな産業を支える、重要な部品といえるでしょう。
加速度センサーは医療・介護における歩行分析においても、重要な機器となっています。
多種多様な動作を、またわずかな動作でも感知し数値化できることが強みとなります。
これにより歩行に関するさまざまな情報をデータ化でき、診断や治療、リハビリなどに生かせます。
2008年に公表された浅井らの研究結果では、以下のように言及されています。
加速度センサは、その感度の高さから、動作時に生じる僅かな力学的変化を感知することができ、様々な動作に適用可能である。
(中略)
加速度センサを用いた歩行分析では、一般的歩行指標(歩行スピードや歩行周期)だけなく、今まで評価が困難であった歩行の規則性や両側下肢動作の対称性などの定量化が可能で、高齢者の歩容以上を多面的に評価することが可能である。
引用:浅井剛, 土井剛彦:歩行分析における加速度センサの適用. 神戸学院総合リハビリテーション研究, 2008, 3(2):37.
たとえば歩行のバランスやリズムも、加速度センサーならば測定可能となるわけです。
「動き」に関するさまざまな情報を得られることは、歩行分析を可能とする大きな理由に挙げられます。
加速度センサーは動作を計測する上で優れた機器であり、広く活用されています。
仕組みを知ることで、加速度センサーを活用する機器がより身近になることでしょう。
他の記事では加速度センサーを使うメリットや従来の歩行分析と比べた優位点、活用により何がわかるかという点について触れています。
ぜひそちらの記事もご参照ください。
《 ご 執 筆 者 さ ま 》
稗田 恵一さま(ひえだ けいいち)
千葉県在住
2017年以降、複数のメディアで介護に関する記事を執筆し、記名記事も多数掲載。
家族が介護施設に入った際の経験も活かし、役に立つ記事づくりを日々心がけています。
<参考文献>
浅井剛, 土井剛彦:歩行分析における加速度センサの適用. 神戸学院総合リハビリテーション研究, 2008, 3(2):37-40.
http://www.reha.kobegakuin.ac.jp/~rehgakai/journal/files/no3-2/ronbun05.pdf
丸文「加速度センサの基本と原理」:
https://www.marubun.co.jp/product/component/a7ijkd000000ip73.html
キーエンス「加速度計測の基本」:
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/acceleration/measurement.jsp
ローム「加速度センサ」:
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/sensors/sensor_what5
アナログ・デバイセズ「加速度センサーとは?」:
https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/application-notes/ANJ-0005_jp.pdf
デュージャパン「加速度センサによる衝撃と振動の計測」:
https://www.dewejapan.com/daq/accelerometers.html
インセプト「加速度センサー」:
https://e-words.jp/w/%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC.html
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2022/02/04
加速度センサーとは?仕組みや使われる分野を紹介
目次
歩行分析には、加速度センサーが広く使われています。
はじめて歩行分析に触れる方のなかには、加速度センサーとはなにかわからない方もいることでしょう。
加速度センサーはスマートフォンやロボットなどに使われており、現代社会を支える重要な技術のひとつです。
本記事では加速度センサーについて、詳しく解説します。
目次
そもそも、加速度センサーとはなにか?
加速度センサーとは、文字通り加速度を検出できる機器です。加速度とは、「1秒間で時速2kmから時速6kmにスピードアップした」などというように、物体の速度がどう変化したかを示す数値です。単位時間あたりの速度の変化率と言ったりします。
縦・横・高さといった3次元での検出を行えますので、方向の変化をとらえられることも特徴に挙げられます。
このため加速度センサーでは以下に挙げる、さまざまな計測が可能です。
・方向と速度、およびその変化量
・傾きの程度
・衝撃や振動
上記の計測を実現する仕組みは、以下のとおりです。
加速度センサーの内部では、おもりと圧電素子が接した状態となっています。
おもりが動くたびに圧電素子は伸び縮みし、電荷が変化します。
電荷を計測することでどの程度動きがあったのかを計算でき、画面などへの表示が可能となります。
また加速度センサーは計測する対象によって、いくつかの種類に分かれます。
たとえば車体制御など低い加速度で計測する場合は静電容量式、衝突の検知など加速度が高くなる場合は圧電式が適しています。
一方でスマートフォンなど小型の機器には、ピエゾ抵抗式がよく選ばれます。
加速度センサーが活用される主な分野
加速度センサーは、さまざまな分野で活用されています。
代表的な項目を、以下に挙げました。
・スマートフォンやパソコン、デジタルカメラなどのデジタル機器
・ゲーム機(家庭用、業務用とも)
・自動車
・測量や位置情報を提供するサービス
・建設業
・ロボット
・ドローン
・機器・機械メーカー(精度検証など)
・防災(地震観測や斜面の監視など)
加速度センサーは日々の生活やさまざまな産業を支える、重要な部品といえるでしょう。
加速度センサーは歩行分析でも活用可能
加速度センサーは医療・介護における歩行分析においても、重要な機器となっています。
多種多様な動作を、またわずかな動作でも感知し数値化できることが強みとなります。
これにより歩行に関するさまざまな情報をデータ化でき、診断や治療、リハビリなどに生かせます。
2008年に公表された浅井らの研究結果では、以下のように言及されています。
加速度センサは、その感度の高さから、動作時に生じる僅かな力学的変化を感知することができ、様々な動作に適用可能である。
(中略)
加速度センサを用いた歩行分析では、一般的歩行指標(歩行スピードや歩行周期)だけなく、今まで評価が困難であった歩行の規則性や両側下肢動作の対称性などの定量化が可能で、高齢者の歩容以上を多面的に評価することが可能である。
引用:浅井剛, 土井剛彦:歩行分析における加速度センサの適用. 神戸学院総合リハビリテーション研究, 2008, 3(2):37.
たとえば歩行のバランスやリズムも、加速度センサーならば測定可能となるわけです。
「動き」に関するさまざまな情報を得られることは、歩行分析を可能とする大きな理由に挙げられます。
まとめ
加速度センサーは動作を計測する上で優れた機器であり、広く活用されています。
仕組みを知ることで、加速度センサーを活用する機器がより身近になることでしょう。
他の記事では加速度センサーを使うメリットや従来の歩行分析と比べた優位点、活用により何がわかるかという点について触れています。
ぜひそちらの記事もご参照ください。
《 ご 執 筆 者 さ ま 》
稗田 恵一さま(ひえだ けいいち)
千葉県在住
2017年以降、複数のメディアで介護に関する記事を執筆し、記名記事も多数掲載。
家族が介護施設に入った際の経験も活かし、役に立つ記事づくりを日々心がけています。
<参考文献>
浅井剛, 土井剛彦:歩行分析における加速度センサの適用. 神戸学院総合リハビリテーション研究, 2008, 3(2):37-40.
http://www.reha.kobegakuin.ac.jp/~rehgakai/journal/files/no3-2/ronbun05.pdf
丸文「加速度センサの基本と原理」:
https://www.marubun.co.jp/product/component/a7ijkd000000ip73.html
キーエンス「加速度計測の基本」:
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/acceleration/measurement.jsp
ローム「加速度センサ」:
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/sensors/sensor_what5
アナログ・デバイセズ「加速度センサーとは?」:
https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/application-notes/ANJ-0005_jp.pdf
デュージャパン「加速度センサによる衝撃と振動の計測」:
https://www.dewejapan.com/daq/accelerometers.html
インセプト「加速度センサー」:
https://e-words.jp/w/%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC.html
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AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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