スムーズな歩行に欠かせない前脛骨筋!立ち上がりの離臀時から重要な役割!

前脛骨筋は、歩行時に重要な働きがある筋肉として知られています。

また、歩行だけではなく、前脛骨筋は歩行に移る前の立ち上がり動作の離臀時において、すでに重要な役割を担っています。

そこで今回は、立ち上がり動作から歩行時にかけての前脛骨筋の働きについて詳しく解説していきます。

私たちの立ち上がり動作から歩行まで、日常動作の動きを幅広く支えている前脛骨筋について知識を深めながら、より安全な歩行につなげていきましょう。

前脛骨筋の概要

始めに、前脛骨筋について整理していきましょう。

前脛骨筋は、脛骨の前側にある筋肉で、脛骨の外側面から足関節の前方を通って、内側楔状骨と第1中足骨の底についています。

主な働きは、下記の2点になります。

  • ・つま先を上げる(足関節を背屈させる)
  • ・足首を固定させる

前脛骨筋はスムーズな歩行に欠かせない筋肉になります。

正常に機能することで、ふくらはぎや膝関節、太腿前側への負担軽減や下半身トレーニングのフォーム作りにも役立ちます。

前脛骨筋が衰えると転倒に注意

前脛骨筋は、主に下記のような原因で筋肉が疲れたり、硬くなったりします。

  • ・重心が後側になってしまう
  • ・足首をあまり動かさない

そのため、立っていることが多い人が疲れやすい筋肉になります。

また、前脛骨筋が衰えてしまうと、すり足になり、スポーツのケガにつながるおそれがあります。

さらに、以前に内閣府が作成した自宅内の転倒データを観てみると、転倒リスクに対して興味深い結果があります。

その結果では、段差があるため転倒が多く起こりそうな階段より、比較的平地である庭やリビングのほうが転倒リスクが高くなっているのです。

そのため、特にすり足歩行が起こる原因を考えていかないと、平地であっても転倒リスクが高くなることを理解していくことが必要です。

引用元:サントリーウエルネスOnline 年とともに脚の筋力が衰えてきた!? 鍛えるための習慣とトレーニングを紹介

 

引用元:転倒予防ナビ 「段差のない室内」が一番危険!?住みなれた自宅でも油断は禁物!

歩行時の前脛骨筋の役割

次に、歩行時に活躍する前脛骨筋について詳しく説明していきます。

歩行時の前脛骨筋は、下記の2つの時期でいずれも重要な役割を担っています。

  • ・立脚初期
  • ・遊脚期

それぞれの役割について確認していきましょう。

立脚初期

歩行開始時に振り出した足側の下腿三頭筋の筋活動は減弱し、拮抗筋である前脛骨筋の筋活動が高まる時期です。

足が地面に着く際に踵から接地し、足の裏全体が着くときに踵が着いてから足の裏全体が着くまでの間、前脛骨筋がブレーキ作用として働きます。

その際、前脛骨筋と合わせてハムストリングスや大腿四頭筋の働きにより、地面からの足の衝撃の緩和に貢献します。

なお、この際に前脛骨筋がうまく働かないと「膝折れ」を起こしてしまうため、注意が必要です。

遊脚期

遊脚期は、足のクリアランスの確保に重要な役割をしています。

具体的には、足が地面から浮いている際に地面とつま先を挙げて距離をうまく保つ働きです。

その結果、地面に足が引っかからないように歩くことが可能になります。

前脛骨筋の起立時の働き

先行研究では、前脛骨筋は立ち上がり時の体幹前傾相で活動し、重心を前方移動させることが報告されています。

通常、動作開始前に前脛骨筋の筋活動が発生して、移行相における離臀時に最大になります。

離臀した後、前脛骨筋から主たる筋活動は、外側広筋を主とした大腿部の筋へと移行していくのが正常の動きです。

そこで、立ち上がりの際に前傾姿勢で大切になる動きが膝関節を軸にして大腿のみを回転していき、下腿は動かずに離臀することです。

しかし、脳卒中の患者などはうまく大腿のみを回転できなくなり、大腿とともに下腿も動いてしまいます。また、良くあるのが下腿を後ろに動かしてしまうことです。

そのため、骨盤と下腿をしっかり固定することができれば、スムーズに立ち上がることができるのですが、そこで下腿を固定させる役割になるのが前脛骨筋です。

さらに、立ち上がりの際に前脛骨筋の足関節背屈の作用により、踵が床に押し付ける役割もあります。

前脛骨筋がうまく作用すると、膝関節を前面に押し出しやすくなるため、前方への支持基底面にもスムースに移行しやすくなります。

引用元:すなリハチャンネル 【理学療法士 立ち上がり】立ち上がりは前脛骨筋が大切

 

引用元:リハビリ情報ブログ 白衣のドカタ 【立ち上がりの動作分析~相分けから関節角度、筋活動も含めて解説~

まとめ

今回は「スムーズな歩行に欠かせない前脛骨筋!立ち上がりの離臀時から重要な役割!」についてご説明しました。

前脛骨筋は、安全歩行に重要な役割を担っている筋肉であるのと同時に、立ち上がりの離臀時からすでに大きな働きをしている筋肉です。

そのため、日頃から前脛骨筋を鍛えていくことや柔軟性を養いながら、スムーズな歩行につながる立ち上がりが出来るようにしていきましょう。

また、安全な歩行や前脛骨筋の筋肉の動きが及ぼす影響について、歩行開始時のバランスや歩行リズム、さらに歩行の推進力を評価・分析していくことが重要です。

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ぜひ、AYUMI EYEを活用していきながら、いつまでも続く安全歩行を目指していきましょう。

参考資料:
【2022年最新】前脛骨筋の起始停止と作用は?筋トレ、ストレッチ、自主トレ、評価、リハビリ論文サマリーまで
立ち上がり動作における前脛骨筋の役割 新井 一徳, 加藤 仁志, 今村 哲也, 金賀 哲也, 竹内 陽介, 高橋 正明


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