PREMIUM COLUMN
2023/04/21
目次
歩行リハビリやスポーツの技術の習得など、あらゆる場面で活用される「運動学習」。
今回は、運動学習の役割や注意点をお伝えします。
また、運動学習における歩行リハビリのポイントをお知らせしますので、参考にしてください。
運動学習とは、課題遂行の能力を永続するように導くための実践や経験に関係する一連の過程を言います。
リハビリやスポーツ技術向上などに役立ちます。
運動学習には、小脳回路や基底核回路と重要な関わりがあります。
それぞれの役割について、確認していきましょう。
運動皮質からの情報と運動に関する末梢からの感覚情報を統合して、運動を適正化する役割を果たします。
運動を遂行する上で、順序や運動の組み合わせを制御する働きがあります。
運動学習には、大きく分けて下記の3段階に分けられます。
それぞれの特徴について、ご説明します。
この段階では、運動を行う際に何を行うかを理解して戦略を考えます。
あくまで運動がうまくできるように言語的に考えていく時期になり、これだけでは運動ができるわけではありません。
この段階では運動をどのように行うか、さまざまな戦略を試していく時期になります。
試行錯誤を重ねていきながら間違いを修正していき、余剰運動を除去します。
やがて、滑らかな協調運動パターンに融合していきます。
この段階は連合段階の延長になり、注意は減少していき、言語は不要になります。
運動は高度に統合されて無駄なく滑らかになり、手続きは自動化されます。
また、このレベ ルに至った運動技能は失われにくくなります。
なお、各学習段階は連続的に向上していくため、明確な境界はありません。
運動学習を歩行リハビリで活用する際には、下記のことをポイントに置いておくと、より学習が効率的に行われます。
それぞれのポイントを整理していきましょう。
歩行にかかわる大脳皮質の働きには、触圧覚や深部感覚といった体性感覚が関与していると言われています。
そのため、歩行を含めた姿勢制御には筋肉を始めとした筋骨格系だけでなく、体性感覚に配慮したアプローチを行うことが有効になります。
リハビリ中に言語指示を行い、利用者の体性感覚に注意を向けようとしてもなかなかうまく動かないケースがあります。
利用者が正しく注意の方向を向けることができていなければ身体運動の改善は得られないため、原因を解消していく必要があります。
そこで、うまく動かない主な原因として考えられるのが、注意の方向性の違いです。
注意の方向性の違いを確認するには、利用者に対して、 「何を意識しているのか?」 「どのように感じているのか?」 などといった質問を投げかけて、答えてもらうことが効果的です。
投げかけた質問に対して利用者から返される回答によって、触圧覚の変化に注意が向いているか、あるいは触圧覚の変化ではなく誤って注意が向いていないかなどの評価を行います。
また、間違った注意を行っている場合の対策としては、より意識を置くべき場所を具体的にしていくことが有効です。
例えば「○○(具体例な箇所)の変化に注意してください」といった直接的な声かけが効果的です。
言語指示をしても改善が得られない場合は、その動作の難易度が高すぎる可能性が考えられます。
難易度が高いと判断した場合は、優しい動作に変更することが必要です。
運動学習のプログラムを行う際(特に脳損傷後のリハビリ)には、以下のことを意識して行いましょう。
上記の学習を利用していくことで、回復を促していきます。
そして、結果的に運動学習が行われて動作がしやすくなったり、出来ないことができるようになったりします。
また、脳損傷後の運動機能回復での脳活動は、健常者が新しいスポーツを学習するときの脳活動と似ていると言われています。
そのため、上記の運動学習のポイントはスポーツ場面にも応用できます。
今回は「運動学習の役割と歩行リハビリのポイント」について説明しました。
運動学習を習得するには徐々に自動化していき、次第に注意しなくても運動が可能になるように、段階的にリハビリを進めていくことが有効です。
そのため、段階的に効率的な運動学習を歩行リハビリで行う際には、常に利用者の荷重の割合やバランス状態を細かく分析していくことが必要です。
AYUMI EYEでは、左右の接地時間をグラフで表示できるメリットなど、現在の歩行バランスを細かく分析、評価することが可能です。
ぜひ、AYUMI EYEを使って、歩行リハビリにおける運動学習の評価や成果につなげていきましょう。
(参考資料)・中村隆一 運動学習について・嘉戸直樹/伊藤正憲 運動学習はここまでわかった・道免和久 運動学習とリハビリテーション
(参考URL)・おくだ脳神経外科クリニックー脳損傷後の運動学習・京都大学ー運動学習の新メカニズム解明に成功・CCRA-大脳基底核と小脳による運動学習・日本通所ケア研究所ー歩行能力を高める運動学習のポイント
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
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2023/04/21
運動学習の役割と歩行リハビリのポイント
目次
歩行リハビリやスポーツの技術の習得など、あらゆる場面で活用される「運動学習」。
今回は、運動学習の役割や注意点をお伝えします。
また、運動学習における歩行リハビリのポイントをお知らせしますので、参考にしてください。
目次
運動学習とは?
運動学習とは、課題遂行の能力を永続するように導くための実践や経験に関係する一連の過程を言います。
リハビリやスポーツ技術向上などに役立ちます。
運動学習の2つの重要な役割
運動学習には、小脳回路や基底核回路と重要な関わりがあります。
それぞれの役割について、確認していきましょう。
小脳回路
運動皮質からの情報と運動に関する末梢からの感覚情報を統合して、運動を適正化する役割を果たします。
基底核回路
運動を遂行する上で、順序や運動の組み合わせを制御する働きがあります。
運動学習の3段階
運動学習には、大きく分けて下記の3段階に分けられます。
それぞれの特徴について、ご説明します。
認知段階(初期相)
この段階では、運動を行う際に何を行うかを理解して戦略を考えます。
あくまで運動がうまくできるように言語的に考えていく時期になり、これだけでは運動ができるわけではありません。
連合段階(中間相)
この段階では運動をどのように行うか、さまざまな戦略を試していく時期になります。
試行錯誤を重ねていきながら間違いを修正していき、余剰運動を除去します。
やがて、滑らかな協調運動パターンに融合していきます。
自動化段階(最終相)
この段階は連合段階の延長になり、注意は減少していき、言語は不要になります。
運動は高度に統合されて無駄なく滑らかになり、手続きは自動化されます。
また、このレベ ルに至った運動技能は失われにくくなります。
なお、各学習段階は連続的に向上していくため、明確な境界はありません。
運動学習の歩行リハビリ
運動学習を歩行リハビリで活用する際には、下記のことをポイントに置いておくと、より学習が効率的に行われます。
それぞれのポイントを整理していきましょう。
体性感覚
歩行にかかわる大脳皮質の働きには、触圧覚や深部感覚といった体性感覚が関与していると言われています。
そのため、歩行を含めた姿勢制御には筋肉を始めとした筋骨格系だけでなく、体性感覚に配慮したアプローチを行うことが有効になります。
注意の方向性の修正
リハビリ中に言語指示を行い、利用者の体性感覚に注意を向けようとしてもなかなかうまく動かないケースがあります。
利用者が正しく注意の方向を向けることができていなければ身体運動の改善は得られないため、原因を解消していく必要があります。
そこで、うまく動かない主な原因として考えられるのが、注意の方向性の違いです。
注意の方向性の違いを確認するには、利用者に対して、 「何を意識しているのか?」 「どのように感じているのか?」 などといった質問を投げかけて、答えてもらうことが効果的です。
投げかけた質問に対して利用者から返される回答によって、触圧覚の変化に注意が向いているか、あるいは触圧覚の変化ではなく誤って注意が向いていないかなどの評価を行います。
また、間違った注意を行っている場合の対策としては、より意識を置くべき場所を具体的にしていくことが有効です。
例えば「○○(具体例な箇所)の変化に注意してください」といった直接的な声かけが効果的です。
課題の難しさ
言語指示をしても改善が得られない場合は、その動作の難易度が高すぎる可能性が考えられます。
難易度が高いと判断した場合は、優しい動作に変更することが必要です。
運動学習のポイント
運動学習のプログラムを行う際(特に脳損傷後のリハビリ)には、以下のことを意識して行いましょう。
上記の学習を利用していくことで、回復を促していきます。
そして、結果的に運動学習が行われて動作がしやすくなったり、出来ないことができるようになったりします。
また、脳損傷後の運動機能回復での脳活動は、健常者が新しいスポーツを学習するときの脳活動と似ていると言われています。
そのため、上記の運動学習のポイントはスポーツ場面にも応用できます。
まとめ
今回は「運動学習の役割と歩行リハビリのポイント」について説明しました。
運動学習を習得するには徐々に自動化していき、次第に注意しなくても運動が可能になるように、段階的にリハビリを進めていくことが有効です。
そのため、段階的に効率的な運動学習を歩行リハビリで行う際には、常に利用者の荷重の割合やバランス状態を細かく分析していくことが必要です。
AYUMI EYEでは、左右の接地時間をグラフで表示できるメリットなど、現在の歩行バランスを細かく分析、評価することが可能です。
ぜひ、AYUMI EYEを使って、歩行リハビリにおける運動学習の評価や成果につなげていきましょう。
(参考資料)
・中村隆一 運動学習について
・嘉戸直樹/伊藤正憲 運動学習はここまでわかった
・道免和久 運動学習とリハビリテーション
(参考URL)
・おくだ脳神経外科クリニックー脳損傷後の運動学習
・京都大学ー運動学習の新メカニズム解明に成功
・CCRA-大脳基底核と小脳による運動学習
・日本通所ケア研究所ー歩行能力を高める運動学習のポイント
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AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
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