PREMIUM COLUMN
2023/10/13
目次
筋力評価方法の一つであるMMT(徒手筋力テスト)。
MMTは、容易に場所を選ばず筋力を評価できるメリットがある検査法です。
しかし、その反面問題点もあります。
そこで、今回はMMTのメリットと問題点についてご説明します。
また、MMTを使って歩行分析を行う際により効果的に行う方法についてもご説明します。
ぜひ、こちらの記事を歩行リハビリの参考にお役立てください。
MMTは特定の筋肉がどの程度の力を発揮できているかについて、下記の表の6段階で評価します。
なお、日常生活の目安は、MMT3になります。
MMTは手首などの手関節や肩関節、股関節、足関節などさまざまな部位で行われます。
MMTのなかでも、歩行に関しておさえておきたいのが下肢の評価法です。
歩行の際に必要な評価は、主に下記の3点になります。
それぞれの評価基準について、見ていきましょう。
膝の伸展動作に関与する筋肉は、大腿四頭筋です。
大腿四頭筋の歩行における主な働きは立脚期に生じる膝関節屈曲の制動になります。
もし、大腿四頭筋がうまく使えなくなると、膝関節が安定しなくなったり、歩行バランスも不安定になります。
そのため、歩行における大腿四頭筋の評価は重要な要素です。
原則評価は座位で行い、膝から先を持ち上げて、床面から離すことができれば、MMT3以上。
すねを上から押しても膝から先を床面から離したままでいられるかどうかで、3〜5の評価をします。
なお、膝から先が持ち上げられなかった場合は、側臥位で評価。
膝から先を伸ばし切ることができればMMT2、わずかな筋収縮が認められれば1、まったく筋収縮がない場合は、0判定です。
引用元:関西医科専門学校 MMT~膝関節屈曲~(第10版)
股関節の屈曲には、主に腸腰筋が関与します。
腸腰筋は歩行の際に足や膝を持ち上げる働きがあり、筋力が弱くなると足の振り出しに影響がでるため、転倒のリスクも高まります。
次に、利用者が楽に行える臥位姿勢で評価する場合の評価基準を見ていきましょう。
まず、患者が腹臥位で膝から先を持ち上げて床面から離すことができれば、MMT3以上です。
なお、3〜5の判断は、足首を引っ張った際に膝から先を床面から離したままで保持できるかどうかを見ていきます。
もし、膝から先が持ち上げられなかった場合は、側臥位で実施。膝から先を曲げて踵をお尻のほうへ動かせるかどうかを評価します。
そこで、全可動域で動かせればMMT2、わずかな筋収縮があれば1、まったくなければ0評価です。
また、MMT評価は可能であれば座位で行い、膝を曲げた状態で検査者は足首を持って引っ張り、抵抗を加えて患者の力を評価します。
引用元:関西医科専門学校 MMT股関節屈曲
足関節の屈曲には前脛骨筋が働きます。
前脛骨筋がつま先を上げる作用に関わることで、足の踏み出しをスムーズにします。
評価方法は、可能であれば片足立ちの状態で行います。
結果、踵が床から離れていればMMT3。それ以上は肩の上から体を押し下げるような抵抗を加えて、3〜5判定をします。
もし、踵を床面から離すことができない場合は側臥位で行いましょう。
足関節の屈曲の様子を観察し、2〜0評価をします。
なお、立位のつま先立ちでの方法は転倒の危険性があるため、つま先の下に手を当ててその手を踏んでもらい、筋力の程度を評価することが良いでしょう。
引用元:関西医科専門学校 MMT足関節背屈ならびに内がえし
引用元:関西医科専門学校 MMT足関節底屈
MMTの評価法は簡便で行えるため多くの場面で使われるメリットがある一方、下記のような問題点もあります。
上記の問題点を把握した上で、正確な評価に
つながる工夫が求められます。
MMTを歩行リハビリにより活用できるようにするには、下記のようなポイントをおさえて行いましょう。
それぞれ細かく見ていきましょう。
歩行における代償動作を観察することは、リハビリに対しても重要な要素です。
例えば、足が上に上がりにくい際にすり足で歩いていたりすることも代償動作の一部です。
同様にMMTでも他の筋肉で代償動作が起こなわれていないかどうか、確認しながら行いましょう。
もし、代償動作が現れた場合は、代償動作を促している筋肉や運動を修正しながら評価することでより正確性がでてきます。
筋力が低下している利用者にとっては、MMTを続けていると、疲れがでてきます。
すると、利用者の筋力も変わってしまい、正しい評価につながりません。
そのため、利用者の体力や状況を見ながら、最小限に効率良く毎回同じ環境で評価する必要があります。
また、抵抗を加えて判定する場合は測定結果を安定させるために、同一部位に毎回同じ力で抵抗を加えるようにしましょう。
ある調査では、MMTのみでは歩行自立に必要な筋力水準を検出する測定精度を判別するには、不十分であることが示唆されています。
そのため、MMTと合わせて他のデバイスを組み合わせることで、より正確な評価を行うことも検討しましょう。
その際には、歩行に関連する筋肉の強さをMMTで測定しながら、他にバランスやリズムなどの評価を総合的に行えるデバイスがおすすめです。
今回は「MMT(徒手筋力テスト)の歩行分析のメリットと問題点とは!?」について説明しました。
MMTをより効果的に活用するためには、歩行状況を正確に把握するデバイスを活用することが有効です。
そこで、歩行の際の評価・分析が正確に測定できるデバイスが、AYUMI EYEです。
AYUMI EYEは、歩行評価や分析に大切な「推進力」「バランス」「リズム」の3点を簡単に見える化できます。
ぜひ、AYUMI EYEで歩行の評価・分析に役立てていきながら、リハビリの効果を高めていきましょう。
(参考資料)藤原聡,高橋優基,前田剛伸,嘉戸直樹 運動学に基づいた徒手筋力検査における臨床的評価法筋力のアセスメント:下肢のMMTMMT(徒手筋力テスト)の看護|判断基準とやり方・方法、注意点7つ
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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2023/10/13
MMT(徒手筋力テスト)の歩行分析のメリットと問題点とは!?
目次
筋力評価方法の一つであるMMT(徒手筋力テスト)。
MMTは、容易に場所を選ばず筋力を評価できるメリットがある検査法です。
しかし、その反面問題点もあります。
そこで、今回はMMTのメリットと問題点についてご説明します。
また、MMTを使って歩行分析を行う際により効果的に行う方法についてもご説明します。
ぜひ、こちらの記事を歩行リハビリの参考にお役立てください。
目次
MMT(徒手筋力テスト)とは?
MMTは特定の筋肉がどの程度の力を発揮できているかについて、下記の表の6段階で評価します。
なお、日常生活の目安は、MMT3になります。
MMTは手首などの手関節や肩関節、股関節、足関節などさまざまな部位で行われます。
歩行評価に重要な下肢MMTについて
MMTのなかでも、歩行に関しておさえておきたいのが下肢の評価法です。
歩行の際に必要な評価は、主に下記の3点になります。
それぞれの評価基準について、見ていきましょう。
膝の伸展
膝の伸展動作に関与する筋肉は、大腿四頭筋です。
大腿四頭筋の歩行における主な働きは立脚期に生じる膝関節屈曲の制動になります。
もし、大腿四頭筋がうまく使えなくなると、膝関節が安定しなくなったり、歩行バランスも不安定になります。
そのため、歩行における大腿四頭筋の評価は重要な要素です。
原則評価は座位で行い、膝から先を持ち上げて、床面から離すことができれば、MMT3以上。
すねを上から押しても膝から先を床面から離したままでいられるかどうかで、3〜5の評価をします。
なお、膝から先が持ち上げられなかった場合は、側臥位で評価。
膝から先を伸ばし切ることができればMMT2、わずかな筋収縮が認められれば1、まったく筋収縮がない場合は、0判定です。
股関節の屈曲
股関節の屈曲には、主に腸腰筋が関与します。
腸腰筋は歩行の際に足や膝を持ち上げる働きがあり、筋力が弱くなると足の振り出しに影響がでるため、転倒のリスクも高まります。
次に、利用者が楽に行える臥位姿勢で評価する場合の評価基準を見ていきましょう。
まず、患者が腹臥位で膝から先を持ち上げて床面から離すことができれば、MMT3以上です。
なお、3〜5の判断は、足首を引っ張った際に膝から先を床面から離したままで保持できるかどうかを見ていきます。
もし、膝から先が持ち上げられなかった場合は、側臥位で実施。膝から先を曲げて踵をお尻のほうへ動かせるかどうかを評価します。
そこで、全可動域で動かせればMMT2、わずかな筋収縮があれば1、まったくなければ0評価です。
また、MMT評価は可能であれば座位で行い、膝を曲げた状態で検査者は足首を持って引っ張り、抵抗を加えて患者の力を評価します。
足関節の屈曲
足関節の屈曲には前脛骨筋が働きます。
前脛骨筋がつま先を上げる作用に関わることで、足の踏み出しをスムーズにします。
評価方法は、可能であれば片足立ちの状態で行います。
結果、踵が床から離れていればMMT3。それ以上は肩の上から体を押し下げるような抵抗を加えて、3〜5判定をします。
もし、踵を床面から離すことができない場合は側臥位で行いましょう。
足関節の屈曲の様子を観察し、2〜0評価をします。
なお、立位のつま先立ちでの方法は転倒の危険性があるため、つま先の下に手を当ててその手を踏んでもらい、筋力の程度を評価することが良いでしょう。
MMTの問題点
MMTの評価法は簡便で行えるため多くの場面で使われるメリットがある一方、下記のような問題点もあります。
上記の問題点を把握した上で、正確な評価に
つながる工夫が求められます。
MMTをより効果的にするには?
MMTを歩行リハビリにより活用できるようにするには、下記のようなポイントをおさえて行いましょう。
それぞれ細かく見ていきましょう。
代償動作に注意する
歩行における代償動作を観察することは、リハビリに対しても重要な要素です。
例えば、足が上に上がりにくい際にすり足で歩いていたりすることも代償動作の一部です。
同様にMMTでも他の筋肉で代償動作が起こなわれていないかどうか、確認しながら行いましょう。
もし、代償動作が現れた場合は、代償動作を促している筋肉や運動を修正しながら評価することでより正確性がでてきます。
毎回同じ環境や力で行う
筋力が低下している利用者にとっては、MMTを続けていると、疲れがでてきます。
すると、利用者の筋力も変わってしまい、正しい評価につながりません。
そのため、利用者の体力や状況を見ながら、最小限に効率良く毎回同じ環境で評価する必要があります。
また、抵抗を加えて判定する場合は測定結果を安定させるために、同一部位に毎回同じ力で抵抗を加えるようにしましょう。
正確に測定できる他デバイスを利用する
ある調査では、MMTのみでは歩行自立に必要な筋力水準を検出する測定精度を判別するには、不十分であることが示唆されています。
そのため、MMTと合わせて他のデバイスを組み合わせることで、より正確な評価を行うことも検討しましょう。
その際には、歩行に関連する筋肉の強さをMMTで測定しながら、他にバランスやリズムなどの評価を総合的に行えるデバイスがおすすめです。
まとめ
今回は「MMT(徒手筋力テスト)の歩行分析のメリットと問題点とは!?」について説明しました。
MMTをより効果的に活用するためには、歩行状況を正確に把握するデバイスを活用することが有効です。
そこで、歩行の際の評価・分析が正確に測定できるデバイスが、AYUMI EYEです。
AYUMI EYEは、歩行評価や分析に大切な「推進力」「バランス」「リズム」の3点を簡単に見える化できます。
ぜひ、AYUMI EYEで歩行の評価・分析に役立てていきながら、リハビリの効果を高めていきましょう。
(参考資料)
藤原聡,高橋優基,前田剛伸,嘉戸直樹 運動学に基づいた徒手筋力検査における臨床的評価法
筋力のアセスメント:下肢のMMT
MMT(徒手筋力テスト)の看護|判断基準とやり方・方法、注意点7つ
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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